オリヴィエ・アサイヤス監督が素顔のホウ・シャオシェンに迫る伝説のドキュメンタリー映画『HHH:侯孝賢』デジタルリマスター版が9月25日(土)より公開されることが決定した。

世界の巨匠たちに映画監督がインタビューを行う、フランスのTVシリーズ「われらの時代の映画」。アンドレ・S・ラバルトとジャニーヌ・バザンによるこの伝説的な番組で、台湾ニューシネマをフランスに紹介してきたオリヴィエ・アサイヤス監督が台湾を訪れ、素顔のホウ・シャオシェン監督に迫った。取材当時、ホウ・シャオシェン監督は『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(98)の脚本を執筆中だった。

チュウ・ティェンウェン(朱天文)、ウー・ニェンチェン(呉念真)らホウ・シャオシェン監督と共に台湾ニューシネマを牽引した映画人たちへのインタビューを中心に、『童年往事 時の流れ』(85)『冬冬の夏休み』(84)『悲情城市』(89)『戯夢人生』(93)『憂鬱な楽園』(96)の映像と共にホウ・シャオシェン監督とアサイヤス監督が作品にゆかりのある鳳山、九份、金瓜石、平渓、台北をめぐる。ホウ・シャオシェン監督は傍らのアサイヤス監督に、広東省から台湾に移住した家族のこと、少年期の思い出、そして映画に懸ける思い、映画製作のプロセスについて語りかけていく。最後のシーンでカラオケを熱唱するホウ監督の飾らない姿はその選曲とともに必見だ。

本作はINA(L'Institut National de l'Audiovisuel)により、オリヴィエ・アサイヤス監督の監修のもと、そしてアンスティチュ・フランセの協力を得て、デジタル修復された。本作のタイトル「HHH」はホウ監督の英語表記Hou(侯) Hsiao(孝) Hsien(賢)の頭文字に由来している。第20回東京フィルメックス特別招待作品フィルメックス・クラシックで上映され、今春「台湾巨匠傑作選2021ホウ・シャオシェン大特集」でもプレミア上映になり、待望の劇場公開となる。

『パーソナル・ショッパー』で第69回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞したフランスの名匠オリヴィエ・アサイヤス監督は、フランスの映画批評誌“カイエ・デュ・シネマ”で映画批評家をしていた84年、香港映画の取材の後に台湾を訪れた。その際、台湾ニューシネマの監督たちの存在を知り大きな衝撃を受け、いち早くフランスにおいて台湾ニューシネマを紹介した。13年の友人関係を経て、ホウ・シャオシェン監督に密着した本作は、映画監督としての表情、映画仲間たちとの軽妙なやりとりや、カラオケに興じる素顔のホウ・シャオシェンを映し出していく。

予告編

オリヴィエ・アサイヤス監督コメント

ひとりのアーティストのポートレートとして、
ホウ・シャオシェンという人間その人、友人としての彼をおさめたかった。

映画『HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版』は2021年9月25日(土)より新宿K's cinemaほか全国で順次公開!
監督:オリヴィエ・アサイヤス
出演:ホウ・シャオシェン(侯孝賢)、チュウ・ティェンウェン(朱天文)、ウー・ニェンチェン(呉念真)、チェン・グオフー(陳国富)、ドゥー・ドゥージー(杜篤之)、ガオ・ジエ(高捷)、リン・チャン(林強)
配給:オリオフィルムズ
©AMIP-La Sept ARTE-INA-France 1997