ジョニー・デップ製作・主演最新作『MINAMATA―ミナマタ―』の本編映像が解禁され、併せて各界の著名人からコメントが到着した。

熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミス氏とアイリーン・美緒子・スミス氏が1975年に発表した写真集「MINAMATA」だ。ジョニー・デップ自身が長年の憧れだったと語るユージン氏。彼の遺作ともなったこの写真集を基に、ジョニー自身の製作・主演で待望の映画化が実現した。共演はビル・ナイ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子など実力派キャストが集結。坂本龍一が音楽を手掛けた。

今回、本作の本編映像が解禁された。熊本県水俣市にあるチッソ工場に対して激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。亡くなった家族の遺影を持つ人、抗議の旗を掲げる人。怒りや憤り、悲しみを抱え、声を上げる抗議者たち。激化する混乱の中、ユージンは真実を写し出すため、体を張り果敢にシャッターを切り続ける。この危険な状況に、ユージンはアイリーンに「君は離れて」と声を掛けるが、火炎瓶の煙を吸い咳き込みながらも「あなたといる」と答えるアイリーン。抗議者に揉みくちゃにされ、次第に距離が離れていく二人。暴動に押されチッソの工場の門が開き、ユージンはそのまま中に入っていく…。

本編映像

関口宏(タレント)

時に「映像」は、知識や理屈を超えて「真実」に迫る表現を可能にします。 「MINAMATA」はそれを如実に描ききりました。ドキュメンタリードラマという手法も良かったと思います。半世紀前に起こった「水俣」が、私の中に生々しく蘇りました。

黒柳徹子(女優・ユニセフ親善大使)

日本人でも、よくわからないミナマタの痛みを、カメラマンのユージン・スミスが教えてくれる。ユージンを演じるのはジョニー・デップ。ハリウッドのスターがオーラを消してやってくれているのだ。

田原総一郎(ジャーナリスト)

コロナの時代が突きつけた問い――病に倒れた者にどう向き合うのか。国と企業から切り捨てられた水俣病患者たちの姿を活写した写真家ユージン・スミスと妻アイリーンが今、鮮やかに蘇る。僕は、静かに深く、奮い立っている。

金平茂紀(TVキャスター/記者)

写真家ユージン・スミスが半世紀以上前<水俣病>を活写し世界に報じていた事実。工業排水が、海を殺し、魚を汚し、その地に住む人々の健康を壊した事実。住民たちが立ち上がった事実。あなたは知っていますか。ジョニー・デップにユージンがのりうつっている。

南こうせつ(フォークシンガー)

たった一枚の写真が人の心を動かし、公害問題として世界中にメッセージした。戦後の豊かさの陰でMINAMATAは犠牲となった。その責任は、今地球上で暮らしているひとりひとりにある。もはや目を逸らしてはこの星の未来はない。

いとうせいこう(作家・クリエイター)

いまだに終わっていない水俣問題と、世界中の公害と、企業と癒着する暴力との戦いを重厚な人間ドラマとしてえぐる。本来日本が作らねばならなかった映画だけど、それなら我々は別の国の、彼らに作りにくい問題をテーマ化するのだ。相互に。それがインターナショナルってもんだろう。

武田鉄矢(歌手・俳優)

美しい物語です。
勿論、水俣病訴訟に身を置いた報道写真家の体験ですから、重く怒りに満ちています。
しかし暗くない。水俣の人々の描き方が深く、美しいのです。痛ましい出来事の中に、これほど美しい人々がいたことに驚きます。

上野千鶴子(社会学者)

傷ついた人を記録する者も傷を負う−記録し記憶する営みは、こんなにも壮絶だ。
この呑んだくれの写真家に魅力を感じたアイリーンの気持ちがよくわかる。

内田樹(内田樹(思想家・武道家)

われわれ日本人が決して忘れてはいけない出来事を愚直なまでにまっすぐにフィルムに焼き付けてくれたこの映画に対して、私たちは批評の言葉を口にする前に、まず『ありがとう』と感謝のひとことを告げるべきだろう。

映画『MINAMATA―ミナマタ―』は2021年9月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督:アンドリュー・レヴィタス
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、キャサリン・ジェンキンス and ビル・ナイ
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
© 2020 MINAMATA FILM, LLC
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