沢田研二主演映画『土を喰らう十二ヵ月』が2022年秋に公開されることが決定した。

作家・水上勉によるエッセイ『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―』(新潮文庫刊)を原案に、中江裕司が監督・脚本を手掛け、劇映画に仕立てた本作。主演・沢田研二が演じるのは作家・ツトム。人里離れた長野の山荘で一人、山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら、原稿をしたためている。本作は沢田研二の単独主演作として、2020年2月から撮影を開始。日本の里山を舞台に四季の移り変わりを描く作品ゆえに、一年の撮影を予定していたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、撮影延期と再開を繰り返し、2021年7月26日(月)にクランクアップを迎え、1年6か月にわたる撮影を終えた。

原案となった水上勉『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―』(新潮文庫刊)は、1978年(昭和53年)に雑誌ミセスの1月号から12月号に連載されたエッセイ。水上勉は、女性編集者のすすめで、約一年間にわたり軽井沢の山荘にこもる生活を送る。畑を作り、京都の禅寺に奉公していた少年時代に培った料理を自ら作り、自然と共に暮らす日々を文章にまとめて発表。季節の旬のもので作る、質素でありながら、たまらなく豊かな料理が楽しめる料理本であり、土の匂いを忘れてしまった日本人の味覚を刺激するエッセイでもある。43年前の作品でありながら、今でも多くのファンに愛される名著。

この名著の魅力を生かした脚本を体現するために重要なのは、登場する数々の料理をどう描くか。ツトムが作るのは、畑の野菜や、その地の旬のものを生かした料理であり、日本の生活に根付いた食事の数々。そのために白羽の矢が立ったのが、料理研究家の土井善晴。脚本の中で描かれた料理をどう作り、どう盛り付けるか。中江監督と打ち合わせを繰り返し、ツトムの料理を具現化した。料理を作るだけでなく、沢田には料理や手さばきの指導、器選びなど、本作の細部に土井の感性が生かされている。本作は土井善晴が料理を手掛ける初の映画となった。また、本作の中に出てくる畑や食材の多くは、スタッフが撮影現場の近くに住み込み、農家の方々と協力しながら作り上げた。

沢田研二 クランクアップ時の挨拶

「本当にながい、ながい、ながい撮影でしたけれど、本当の意味で超大作になるように期待しております。本当にお世話になりました。ありがとうございました。」

映画『土を喰らう十二ヵ月』は2022年秋に公開!
監督・脚本:中江裕司
主演:沢田研二
配給:日活
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会