沢田研二主演『土を喰らう十二ヵ月』で、主人公の脇を固めるキャストが発表された。

作家のツトムは人里離れた長野の山荘で一人、暮らしている。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら、原稿をしたためている。時折、担当編集者で恋人の真知子が、東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子とふたり、旬のものを料理して一緒に食べるのは楽しく、格別な時間。歳の離れた恋人がいて、悠々自適な暮らしをするツトムだが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいる

今回、沢田研二演じる主人公の脇を固めるキャストが発表された。ヒロインを務めるのは松たか子。松が演じるのは、主人公、作家ツトムの担当編集者の真知子。25歳年下の恋人でもある。ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」や舞台「ラ・マンチャの男」などフィールドを問わず活躍する松たか子が、どのようなヒロインを演じているのか。本作の原案は1978年(昭和53年)に雑誌「ミセス」(文化出版局刊)の1月号から12月号に連載された料理エッセイ(後に書籍化。水上勉は、女性編集者のすすめで、約一年間にわたり軽井沢の山荘にこもりました。畑を作り、子供の頃に禅寺で身につけた料理を作り、その様子を執筆するという生活を送った。そのエッセイの豊かな世界観から着想を得て、中江裕司監督が独自に物語を創作した。真知子役の松が登場する日は、撮影現場も華やいだ雰囲気に。スタッフ一同で真知子の魅力に目を奪われていた。編集を終えた中江裕司監督は「松さんが演じる真知子は、ゴダールの映画のアンナ・カリーナみたいで本当にチャーミング」と評している。

ツトムの友人・大工役は「にっぽん縦断こころ旅」(NHKプレミアム)の自転車旅でお馴染みの火野正平。ツトムが師と仰ぐ和尚の娘・文子役に、女優だけでなく、共著『ああ言えばこう食う』他でエッセイストとしても活躍する檀ふみ。美食家としても知られる作家の父・檀一雄は水上勉とも交流があった。ツトムの義弟・隆役は数々の映画やドラマで活躍する名バイプレイヤーの尾美としのり。沢田研二とは1988年の『リボルバー』以来の共演。隆の妻・美香役にNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」など出演作が相次ぐ、西田尚美。中江監督の代表作『ナビィの恋』では主演を務めている。

写真屋役には、新宿末廣亭の今年の正月下席興行でトリを務めた注目の真打、落語家の瀧川鯉八。そしてツトムの義母には、演劇界の重鎮、92歳にして現役の奈良岡朋子。日本の里山の美しい四季の移り変わりと、料理研究家の土井善晴が手掛ける料理の数々も描かれる本作。主演の沢田研二を中心に、各方面で活躍する実力派キャストが揃っている。

『土を喰らう十二ヵ月』は2022年秋に公開!
監督・脚本:中江裕司
出演:沢田研二、松たか子、西田尚美、尾美としのり、瀧川鯉八/檀ふみ、火野正平、奈良岡朋子
配給:日活
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会