『タトゥイーン・ラプソディ』


ディズニープラスで配信される日本のアニメスタジオとスター・ウォーズのビックプロジェクト『スター・ウォーズ:ビジョンズ』より、キネマシトラス制作の『村の花嫁』、スタジオコロリド制作の『タトゥイーン・ラプソディ』のあらすじと場面写真が解禁された。

スター・ウォーズにとって創造のルーツとなった日本との新たなプロジェクト『スター・ウォーズ:ビジョンズ』。日本のアニメスタジオとスター・ウォーズによる前代未聞のプロジェクトには、[神風動画][キネマシトラス][サイエンスSARU][ジェノスタジオ][スタジオコロリド][トリガー][プロダクションI.G]の7つのアニメスタジオが参加。世界最高峰のクオリティを誇る作品を送り出してきた日本のアニメクリエイターたちの“ビジョン”を通してスター・ウォーズの新たな物語が描かれる。

今回、キネマシトラスが制作の“悲しき決断をした花嫁の運命”を描く『村の花嫁』、スタジオコロリドが制作のルーク・スカイウォーカーの故郷でもある砂漠の惑星タトゥイーンを舞台に“ロックミュージシャンを志す主人公たち”を描く『タトゥイーン・ラプソディ』の場面写真とストーリーの一端が発表された。

『村の花嫁』

オーダー66後、帝国の支配はまだアウターリムの惑星キーリアへは届いていなかった。懐かしい人物(ヴァン)からメッセージを受け取りこの星を訪れた逃亡者エフは、そこで奇妙な結婚式に出くわす。戦争の呪縛から逃れられない村人たちと抗おうとする若者たち。花嫁ハルに自らの境遇を重ねるエフがとった行動とは。そして恋人たちの運命は…。

解禁された場面写真には、星空の元、マスクで顔半分を覆っているエフと、落ち着いた顔つきで何かを見据えているヴァンの姿が描かれている。二人の前の座卓には料理が盛られており、何かその村のお祝い事を見ているかのようなシーンとなっている。本作を手掛けたキネマシトラスの垪和等監督は、銀河にある様々な風習を“婚礼”を通して描いており、日本の文化が「スター・ウォーズ」を通すことによってどのように描かれるのか、期待が高まる作品となっている。

本作を手掛けた垪和等監督は、これまで劇場版『テニスの王子様二人のサムライ』や劇場版『ヤッターマン新ヤッターメカ大集合。オモチャの国で大決戦だコロン!』などの原画を手掛けるほか、副監督を務めたテレビアニメ『メイドインアビス』は海外を始め世界中で人気を獲得しており、2022年には第二期『メイドインアビス烈日の黄金郷』の放送も控える人気クリエイターだ。「スター・ウォーズ」について「思い出は山ほどあります」と語る垪和監督。シリーズ1作目となる『スター・ウォーズエピソード4/新たなる希望』が公開された際、中学1年生だった垪和監督は「心の持ち方で見えないものが見えてくる的な表現に心が動かされました。当時物語の展開にいたく感動した私は、早速帰って小説版を買い、サントラは高価だったのでメインテーマだけシングルカットされたドーナツ盤を買い、それでも飽き足らずメカデザインのスケッチの本を買いました」と、シリーズが始まった当初から「スター・ウォーズ」への愛が溢れていたことを明かした。

そんな垪和監督は今回手掛けた『村の花嫁』において、「スター・ウォーズ」と“結婚式”を結び付けたことに対し、「“結婚式”という、日本国内でも様々な風習がある“まつりごと”を通して、その星の風習や文化が描けたらと思いました。“まつり”はカーニバルでもありますが、セレモニーでもあります。“まつり”はまた、祀るという自然や物事を畏怖し感謝する催事でもあります。フォースとは何なのか?日本人の中にある万物に命が宿っているという感覚。これはかなり近いモノじゃないかと感じています。今作では主人公の異邦人エフに、ヴァンが解説するという形で異性の文化を紹介し、そこにある困難とエフの抱える困難をオーバーラップさせることで、フォースやジェダイの大事にしていることが浮き彫りになればと思いました」と、日本の風習や文化を通して「スター・ウォーズ」を表現したこと明かした。

さらに「『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』のアナキンとアミダラによる、祝われない二人きりの結婚式などは印象に残っており、今回の『村の花嫁』に繋がるテーマになっているかもしれません」と、「スター・ウォーズ」シリーズの印象的なシーンが本作のテーマの起点となっていることを明かす。また、『村の花嫁』の声優陣には、英語吹き替え版のエフ役を福原かれんが演じており、垪和監督は「日本語を理解する方に吹替をしていただけることに感謝しています。日本人ならではの情緒などを汲み取っていただけたらと思います」と期待するとともに、日本語吹替版のヴァン役を演じる上川隆也とは高校時代の友人であることを明かし、「いつか一緒の仕事・・いや、自分の監督作に出てもらうことが目標の一つでした」と本作でクリエイターとしての目標が一つ達成したことを明かした。そして垪和監督は「日本語版ではキャラクターの息遣いや自然の美しさを堪能していただければ幸いです。観終わった後には、エフという新たなジェダイがこれからどんな冒険を繰り広げるのか想像してみてください」と作品を待ち望むファンに向けてメッセージを送った。

声優を務めたヴァン(英吹替名:ヴァルコ)役の俳優・上川隆也は「日本のアニメーションによって新たな「スター・ウォーズ」の物語が描かれる事に快哉を叫びましたが、それにも増して嬉しかったのが高校時代に同じサークルでアニメーションを語り合っていた垪和等氏が監督の一人として名前を連ねている事でした。況してやその作品に出演出来るなど、俳優として過ごしてきた30 年余りに対する褒美を賜った様な気分でおります」と監督への思いを明かし、エフ役の瀬戸麻沙美は本作について「とても大きな企画だなと驚きましたし、キネマシトラスさんの『村の花嫁』のエフ役を任せていただいて、今作に関われたことが嬉しかったです」と喜びを語る。アス役の内田雄馬は「いつの時代も『スター・ウォーズ』は僕達をワクワクさせてくれました。今回も、高い熱量を存分に注ぎ込んで制作しております。日本のスタジオから生まれる、新たなる『スター・ウォーズ』をどうぞお楽しみに!」とファンへのメッセージを送った。

『タトゥイーン・ラプソディ』

元ジェダイや廃棄ドロイドなど、訳アリのメンバーが集いアウターリムを転々としながらライブ活動をしていたバンド、スター・ウェイバー。バンドリーダーのギーザーはギャング稼業の一族から裏切り者として追われ、ついには凄腕賞金稼ぎボバ・フェットに連れ去られてしまう。ギーザーの公開処刑が近づく中、バンドメンバーは惑星タトゥイーンの犯罪王ジャバに取引を持ち掛けた。自分たちの命と引き換えに、最期のライブをさせてくれないか、と……。

解禁された場面写真では、砂漠の惑星タトゥイーンを舞台に、まるでジェダイのような服装に身を包んだボーカル担当のジェイ、左にはギター担当のドロイド・K-344(愛称:カーティ)、そして赤い肌に3つの顔があるドラムのランら、バンド“スター・ウェイバー”の姿が描かれている。それぞれ事情を抱えたバンドメンバーだが、アウターリムを転々としながらライブ活動を行っている。しかし、バンドリーダーのギーザーが凄腕賞金稼ぎボバ・フェットに連れ去られてしまい、犯罪王ジャバに自分たちの命と引き換えに“最期のライブ”をさせてほしいと持ち掛ける…。正史にも登場する人気キャラクターのボバ・フェットやジャバ・ザ・ハットなど、お馴染みのキャラクターが登場するのも楽しみの一つ。「スター・ウォーズ」ファンが楽しめる作品となっている。

本作を手掛けたスタジオコロリドは、初の長編アニメとなる映画『ペンギン・ハイウェイ』が日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、注目を集める新進気鋭のアニメスタジオ。抜擢された新鋭監督の木村拓は、自身が大ファンである「スター・ウォーズ」作品を手掛けた心境について「本当に『スター・ウォーズ』を作って世界に配信されるのか?と、実感がない中で制作していました。実感が湧いてからは、大好きな『スター・ウォーズ』を作れる興奮と同時に、この新しい世界を受け入れてもらえるのか?という不安もありましたが、今は早く見ていただきたくてウズウズしています」と興奮を交えながら語っている。

また、「スター・ウォーズ」といえば戦いやアクションなどのイメージがある中で、異色の“ロックバンド”をテーマにした理由については「プロジェクトは従来の設定にとらわれず自由な発想の企画を募集するということだったので、思い切ってジェダイとシスの戦いとは全然違った、この銀河の片隅に生きる人を描きたいと思いました。その中でも『スター・ウォーズ』の世界ではカンティーナバンドのフィグリン・ダンとモーダル・ノーズなど魅力的な音楽家が登場するので、そういった音楽家にフューチャーすれば今までとは違った作品になるのではないかと思いました。そして音楽の中でも今までに無いロックというジャンルと、ロックにおける反骨精神がうまく物語に機能するのではないかと考えました」と、正史で作品を彩る”音楽”からインスピレーションを受けたことを説明。「この生きにくい銀河においても戦いではなく自分のやりたいことを貫きたいんだという人達がいてもいいし、それをテーマにすることがこの作品にとって正しいんじゃないかというふうになっていきました」と語る。

また本作は、主人公ジェイのグローバル版を担当した吉野裕行をはじめ、英語吹き替え版ではジョセフ・ゴードン・レヴィット、ボバ・フェット役に「マンダロリアン」シリーズでボバ役の声優を務めた金田明夫、英語版では同シリーズでボバ役を演じるテムエラ・モリソンが務めるなど、豪華声優陣も話題となっているが、木村監督は「吉野さんに関しては日常会話の声を聞いただけでもジェイだ!と思うほど自分の中のイメージとピッタリハマっていて感動したのを覚えています。ボバ・フェットの声優は金田さんを懇願していたので実現した時は嬉しかったですし、正史の中に入れたような感動もありました」と喜びと興奮を語っている。そして、配信を目前に控えて「間違いなく今までにはなかった物語になっており、新たなスター・ウォーズを楽しんで頂けると思います。また、お決まりのセリフの他にも、小ネタやファンなら気付いてくれそうな要素を仕込んでありますので、ぜひいろんな人に楽しんでいただきたいです」とファンに向けてメッセージを送った。

主人公ジェイの声を務めた声優・吉野裕行は「とにかく子供の頃から熱中していました。その世界観、物語、登場する全ての者・物、ただただ圧倒的!!!」と「スター・ウォーズ」愛を明かす。そして本作への参加については「ファンというのは明瞭であり複雑です。時に理解者であり、支援者であり、同時に非常に残酷な評論家でもある。これも1つの可能性として、作品を楽しんでくれたら嬉しいですね。怖いなぁ~(笑)プレッシャーですよ?」と、プレッシャーを感じているよう。しかし「これは言うなれば全ての可能性ではないのか。きっと今迄見たこともない作品であり、ここでしか楽しめない作品たちであると思います」と本作を待ち望むファンにコメントを寄せた。

また、ボバ・フェットの声優を務めた金田明夫は日本のアニメスタジオと「スター・ウォーズ」がタッグを組んだ本プロジェクトについて「日本アニメの水準の高さはもちろんわかっていましたが、本当に驚きを隠せませんでした。素晴らしい事です。例えるならば、オリンピックで日本が全てのメダルを独占!ニッポンチャチャチャ!です」とコメント。さらに「『スター・ウォーズ』ファンの皆様。皆様の熱き応援のおかげで日本発信の『スター・ウォーズ』アニメに出演出来た事に心から感動しています。1977年映画館でリアルタイムで『スター・ウォーズエピソード4/新たなる希望』を、心震わせながら観ていた青年・金田明夫。こんな素晴らしい映画に出演したい!携わりたい!そんな想いで座席に座っていた青年金田に44年の時を遡り伝えたい!夢は叶うよ、と」とファンに向けてメッセージを寄せた。

『スター・ウォーズ:ビジョンズ』は9月22日(水)16時よりディズニープラスにて独占配信開始。
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