「ムーミン」の原作者として知られるフィンランドの作家トーベ・ヤンソンの半生を描いた映画『TOVE/トーベ』のメイキング映像が解禁された。

第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。画家トーベ・ヤンソンは自分を慰めるように、不思議な「ムーミントロール」の物語を描き始める。やがて戦争が終わると、爆撃でほとんど廃墟と化したアトリエを借り、絵画制作に打ち込んでいくが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢、保守的な美術界との葛藤の中で満たされない日々を送る。それでも、若き芸術家たちとのパーティーや恋愛、様々な経験を経て、自由を渇望するトーベの強い思いはムーミンの物語とともに大きく膨らんでいく。そして舞台演出家ヴィヴィカ・バンドラーとの激しい恋に落ちる―。それはムーミンの物語、そしてトーベ自身の運命の歯車が大きく動き始めた瞬間だった。トーベの人生のあり方とともに創作への情熱を描いた感動の物語。

「彼女の優しさこそが自身の体験を活かす才能なのです」「生きるということの本質を表現するのがとても上手なんです」―トーベ・ヤンソンの姪であるソフィア・ヤンソンが、彼女との想い出を語るシーンから始まる本映像。ともに映るのは、ヘルシンキ市庁舎のためにトーベが1947年に手掛けたフレスコ画「都会のパーティー」を映し出した映像。どこか不思議な印象を残すこの絵画は童話作家というだけでなく、彼女が優れた画家でもあったことを示す一作でもある。

そして、その後に続くのは、いつでも“自分のリズムで気ままに踊る”ことが大好きだったというトーベ本人が草原で踊る姿を捉えた貴重な映像。少しユーモラスで個性的なこのダンスを踊る彼女の姿は、ザイダ・バリルート監督が「映画を作るにあたりトーベの“真実”を描くのは不可能だと理解しました、そんな無謀なことは諦めました」「私に出来たのは彼女の人生に触れ、ある意味遊ぶこと。この挑戦をクリアにするため真剣に遊びました」という言葉を裏付けるようにも見える。

併せて解禁された4点のメイキング写真は、ムーミンの舞台劇やトーベのアトリエなど、いずれも彼女のアーティストとしての人生で重要な役割を担った場所で、監督がキャストに直接演技指導をする姿を切り取ったものとなっている。

メイキング映像

映画『TOVE/トーベ』は2021年10月1日(金)より新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開!
監督:ザイダ・バリルート
出演:アルマ・ポウスティ、クリスタ・コソネン、シャンティ・ロニー、ヨアンナ・ハールッティ、ロバート・エンケル
配給:クロックワークス
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