『人と仕事』の公開記念舞台挨拶が10月9日(土)にヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、志尊淳、森ガキ侑大監督が登壇した。

『新聞記者』(19)、『パンケーキを毒見する』(21)など、話題作を世に送り出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画、有村架純と志尊淳という、名実ともに今最旬の2人を迎え、コロナに打ちひしがれた日本の職場で、「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる保育士、介護福祉士などの人々、その他、声なき仕事人達の現状をレポートする。監督は、『さんかく窓の外側は夜』の森ガキ侑大。2人の俳優が、決して役ではなく、一仕事人として、現代社会と向き合い、仕事の意味を再発見し、私たちが生きて行く上で切っても切り離せない仕事とというものの価値を、改めて見出していく本作。

元々は保育士をテーマにした劇映画を制作予定だった中で、新型コロナウイルス感染拡大に伴い撮影が中止となったことから生まれた本作。「(中止となって)ショックな部分もありました」と気持ちを吐露した志尊だが「作品を届ける機会をいただけたのはありがたいと思った」と本作に挑む決意をあらたにしたことを明かした。そんな中でも“ドキュメンタリー”という台本のない作品ということで「筋書きがないので、大丈夫かな、いろんな方に寄り添えるかなという不安はありました」と振り返った志尊は「とにかくやれることをやってみよう」と撮影に臨んだという。

そんな志尊と『さんかく窓の外側は夜』に引き続きタッグを組んだ森ガキ監督は「見たことがない志尊くんの表情がポロっと出たり、新たな志尊くんを知れた」と特別な作品にいなったことを明かした。一方で志尊は「普段自分の作品を見るときは、役柄なので物語として見ることができるんですけど、今回は志尊淳で」と戸惑いもあった様子を見せた。

劇中では志尊と有村架純が2人きりで会議室で会話をするシーンがあるが、事前に森ガキ監督からは「使わないんでって言ってたんです」と振り返る志尊。そのことで「使われないというだけで僕らは荷が下りるんです。見られてしまう自分と、見られていない自分で一枚フィルターがかかる。使ってほしくないわけではなくて」と本音で語り合うことができたことを明かした。

最後に志尊は「この作品を撮っている中で自分自身迷っていたし、この作品も続けることができないと思った瞬間もありました。この作品を通して何かを伝えたいということより、作品を見ていただいて共有できたことが幸せなことだと思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

映画『人と仕事』は2021年10月8日(金)より全国で3週間限定で劇場上映!
監督:森ガキ侑大
出演:有村架純、志尊淳
配給:スターサンズ/KADOKAWA
©2021『人と仕事』製作委員会