美しくも残酷なダークファンタジー『ほんとうのピノッキオ』のメイキング映像が解禁された。

100年以上にわたって世界中で読み継がれるイタリアの児童文学「ピノッキオの冒険」。ディズニー・アニメーションで広く親しまれ、ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキスによる新作も製作進行している。しかし、誰もが思い浮かべるのは“嘘をつくと鼻が伸びる”エピソードであり、この主人公の実像を知る人は少ない。無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”だということを―。そんな原作の世界観をイタリアの名匠マッテオ・ガローネが美しくも残酷に描く。父親ジェペットの家を飛び出し、おとぎの森の奥深くへと誘われたピノッキオが、数々の世にも奇妙な生き物に遭遇しながら、奇想天外な冒険を繰り広げる。

今回解禁されたメイキング映像は、ピノッキオがジェペット爺さんをひとり残し冒険を繰り広げる最中に出会う奇妙なクリーチャー、カタツムリとマグロの創作過程をおさめたもの。コンセプトアートから、演じる俳優の型を取って精巧に創られたスカルプチャー、そして『グランド・ブダペスト・ホテル』『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で過去2度もアカデミー賞を受賞している名アーティスト、マーク・クーリエによる特殊メイクといった貴重な工程が観察できる。

森のお屋敷でターコイズ・ブルーの髪を持つ妖精とともに暮らすカタツムリは、背中の大きな殻とヌルヌルのっしりと巨体を揺らす動きが特徴的だ。なかでも、深く幾重にも刻まれたしわがリアルな皮膚の質感を生んでいる。ドレープがふんだんに施された、薄いピンクのドレスを纏った姿は、まるで絵画のように美しいピノッキオの世界においても存在感をひときわ放っている。

また、マッテオ・ガローネ監督が一番のお気に入りキャラクターと語るマグロについて、マーク・クーリエは「はじめ、マグロはCGで観せるんだろうと思っていたんだ。でもCGのチームに聞いたら、“いや、監督は特殊メイクで考えているはずだよ”と返されて、“どうやって人間をマグロにするんだ?”と戸惑ったのを覚えているよ」と、これまで数々の話題作を手掛けてきた彼にしても監督の構想には衝撃を受けたと明かしている。最終的に、俳優の頭部を模り、CGと特殊メイクを組み合わせて出来たマグロの登場シーン。マークも、「一風変わったメイクではあるけど、素敵なシーンに仕上がったと思う」と自信をのぞかせた、インパクト大の造形美は是非大きなスクリーンで確かめてほしい。ほかにも劇中には、キツネやネコ、コオロギや鳥人間といったピノッキオの美しくも恐ろしいダークファンタジーの世界の魅力的な住人たちが数多く登場する。

メイキング映像

映画『ほんとうのピノッキオ』は2021年11月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督・共同脚本:マッテオ・ガローネ
出演:ロベルト・ベニーニ、マリーヌ・ヴァクト、フェデリコ・エラピ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS