阪本順治が脚本・監督×伊藤健太郎が主演を務める映画『冬薔薇(ふゆそうび)』の予告編、ポスタービジュアル、場面写真が解禁された。

阪本順治監督によるオリジナル脚本で、人間の業を切なく儚く紡ぐ本作。主人公の青年・渡口淳を演じるのは、本作が2年ぶりの映画出演となる伊藤健太郎。阪本監督が伊藤健太郎をイメージして当て書きした。ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳(伊藤健太郎)。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男だ。両親は埋立て用の土砂をガット船と呼ばれる船で運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ませながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らない人物のものだった……。

今回解禁された予告編では、心の距離を埋めることができないでいる淳の父・義一(小林薫)の「自分で気づくの待ってんだけどね」、そして母・道子(余貴美子)の「あんた、背筋がぞっとしたことなんてないでしょ」という台詞に続き、家族や友人、自分自身の過去と向き合うことなく、ずっと逃げてきた淳の姿を点描していく。「俺さ、ひでぇことしてきたかなって」とつぶやく淳に、船の機関長・沖島(石橋蓮司)は「これからはするな」と諭す。予告篇に挟み込まれる数々の描写は、淳を取り巻く人々にも焦点が当てられ、それぞれに心の欠損を抱えた寄る辺なき者たちの物語の一端が垣間見えるものになっている。

予告編

『冬薔薇』は2022年6月3日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
脚本・監督:阪本順治
出演:伊藤健太郎、小林薫、余貴美子、眞木蔵人、永山絢斗、毎熊克哉、坂東龍汰、河合優実、佐久本宝、和田光沙、笠松伴助、伊武雅刀、石橋蓮司
配給:キノフィルムズ
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