『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズ バースデイイベントに戸田奈津子＆森川智之らが登壇

『トップガンマーヴェリック』のトム・クルーズバースデイイベントが7月3日（日）にTOHOシネマズ日比谷で行われ、戸田奈津子、森川智之、UTAが登壇した。

アメリカ海軍パイロットのエリート養成学校・通称“トップガン”に所属するエースパイロット候補生の挫折と栄光の日々を、戦闘機による迫力のアクションで魅せる映像美と、今も観た者の心に鳴り響く数々のヒットメロディと共に、瑞々しい青春＆ラブ・ストーリーを重ね合わせ、世界中そして日本でも空前の大ヒットを記録した名作『トップガン』（86）。その待望の最新作で伝説のパイロット・マーヴェリック役としてトム・クルーズがカムバックを果たす。さらにマイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、エド・ハリスら豪華キャストが集結。さらに前作でマーヴェリックのライバル“アイスマン”を演じたヴァル・キルマーが出演する。

本作で主演を務めたトム・クルーズの60歳の誕生日である7月3日に行われた今回のイベントには、トム自身からの信頼も厚い映画字幕翻訳家の戸田と、本作を含めて数々の作品でトムの吹替を担当している森川が登壇。さらにこの日は戸田の86歳の誕生日でもあることからお祝いするために、モデルのUTAがサプライズで登場した。

「いつもトムにお世話になっておりすけど、こういうことまでトムのおかげです。感謝でございます」と挨拶した戸田だが、「トムは誕生日にお花をくださるんです。今朝花屋さんが素敵なお花を持ってきて、そのお花にエルメスの袋がついていて中に入っていた」とこの日の朝届いたばかりのスカーフを身に着けて登壇し、さらにこの日着ている衣装に合ったものであったことから「トムは千里眼じゃないか」と笑いを誘い、「トムちゃんありがとう」と笑顔を見せた。

30年近くトムの通訳を務めてきたという戸田だが、今回トムが来日した際は通訳を担当しなかったことについて、「トムはいつも200％力を出す努力をしてる。この年になってパッとうまく通訳できなかったら、もし100％を欠いたら200％を出しているトムに申し訳ないと思った。決意して“今回は下ろしていただく”とメールしたらびっくりしてたけど、状況を説明したら『よくわかったと』」と経緯を振り返った。

一方で森川は「トムのファンサービスのすごさは世界一だと思う」といい、8月の新宿・歌舞伎町で行われたイベントの際にも「汗をかかない。ビシッと最後まで、あの根性はすごい」という戸田。しかし、そんなトムと常に行動を共にする戸田について森川は「あの炎天下の中でずっと一緒にいらっしゃるのが、逆に戸田さんのほうがすごいじゃないか」と称賛、これに戸田は「それが務めですから」と謙遜していた。

イベントではUTAがバースデーケーキとともにサプライズ登壇。「食べるのもったいないですね」と照れ笑いを浮かべた戸田だが、さらに森川からもケーキが運ばれてくると、2つのケーキを前に満面の笑みを浮かべた。

UTAからは戸田に「日本語と英語では言葉の数が違う。翻訳制限がある中で訳されていると聞きましたが、どこにポイントをおいて作っているんですか？」と質問が寄せられると、「字数が限られているから全部は訳せない。あれを直訳したら画面上が字になっちゃう（笑）一番重要なのはその人の気持ちが一番出るセリフにすること。その人のどんな日本語として伝わってくるかが重要。感情的に訴えられる日本語を心掛けています」と明かした。

今回初めて日本語吹き替え版で映画を見たというUTAは「トムを演じるにあたり意識していることや大事にしていることは？」と質問。森川は「（戸田と）共通しているのは、僕たちはお手伝いをしている。映画のおもしろさを後押しできるような仕事ができるのがベストだと思っていて。トムの吹替に関しても、トムの作品に対する思いとか、役の気持ちもしっかりとトムと同じように役作りをしながら声を発していく。森川という声優が全面に出ないように、映画を見た時に『あ、吹替だったんだな』と思えるくらいの気持ちで作品にかかわっていこうかと」と語った。

これには戸田も「理想的な字幕は、トムが日本語をしゃべっていた、分かった言葉をしゃべっていたくらいに感じてくれる字幕がいい。邪魔しちゃいけない。頭を素通りするくらいの自然な日本語がいい」と語った。

イベントの終盤ではトム・クルーズからのメッセージ映像が上映され、戸田が通訳。トムからは観客への感謝の気持ちに加えて「日本を訪れるためにみなさんが僕に示してくださる限りないご厚意に感謝します」といい、「来年の夏、『ミッション：インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』で訪れる時も同じことをしたいと思います。これからも夏を楽しんでください。そして来年またお会いしましょう」とメッセージを通訳した。

最後に森川は「この夏、また『トップガンマーヴェリック』に何回も足を運んでいただいて、涼しい映画館で暑い夏を過ごしていただいて、胸アツな体験を『トップガンマーヴェリック』でしていただければと思います」、戸田は「リピーターの方がすごいんです。大画面で見るべき映画は彼の念願で、辛抱強く長年待って実現したトムは本当に素晴らしい。私は彼とは比べようもありませんが、一つ共通しているのは“映画が好き”だということ。彼は本当に映画が好きで、映画を作ることが好き。その点で私は同じ情熱をシェアしているわけで、今回の成功をおめでとうと言いたい」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】

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