半径0.5メートルの近距離恋愛群像劇―韓国映画『なまず』の本編映像が解禁された。

本作は、信頼と不信という普遍的なテーマを軸に、主人公ユニョンの半径0.5メートルで起こるハプニング、恋愛、決断といった、いくつかのエピソードがテンポ良く繋がり合い、心にぐっと刺さるセリフとカラフルで遊び心いっぱいの映像で紡がれる近距離恋愛群像劇。短編作品で独自のユーモアとセンス溢れる作風で、インディーズ映画界のニューウェーブとして韓国で注目されるイ・オクソプの長編監督デビュー作。主人公ユニョンを演じるのは、ドラマ「梨泰院クラス」でブレイクし、是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』でも主要キャストとして名を連ねている人気俳優イ・ジュヨン。同棲する彼ソンウォンをク・ギョファンが演じる。

本作は主人公ユニョン(イ・ジュヨン)の周りで起きたエピソードを、なまずが語るユニークな構造。今回解禁された本編映像も、「再開発が始まりました」という、なまず (チョン・ウヒ)の声で始まる。ユニョンが彼氏ソンウォン(ク・ギョファン)と同棲中の街で再開発が始まり、立ち退き要求が出されてしまったのだ。急遽、新居探しが必要になったユニョン。この日は仕事が休みだったソンウォンが、半地下の良い部屋を見つけたようで、先にひとりでその物件に向かっている。ユニョンも自転車に乗って後から向かうが、実は数日前に聞いたとある話により、彼に対し疑心暗鬼になっていたユニョンはイライラ気味。

ようやく到着した場所には長い階段があったことで、「階段があるなら先に教えてよ」とソンウォンへの怒りを爆発させる。ク・ギョファンが演じるソンウォンというキャラクターは、うだつの上がらないダメ彼氏ながら、映画の前半ではその飄々とした佇まいさえも可愛らしさを感じる。しかし、彼女の身からすると一度疑いを持つと彼の態度に変化はなくとも、どんな態度も気に障ってしまう―。

ク・ギョファンは、現在日本でも絶賛公開中の映画『モガディシュ 脱出までの14日間』(21)や、配信ドラマ「D.P.-脱走兵追跡官-」などで、その演技力の高さと特徴的な声が注目を集めている人気急上昇の俳優。『新感染半島 ファイナル・ステージ』(21)での悪役も記憶に新しく、本作でも仕事仲間に対して、表では笑顔を見せながらも心の底では疑い、冷たい眼差しを向けるなど、ク・ギョファンが表現する絶妙な演技に注目だ。

本編映像

『なまず』は2022年7月29日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開!
監督:イ・オクソプ
出演:イ・ジュヨン、ク・ギョファン、ムン・ソリ
配給:JAIHO