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第35回東京国際映画祭 コンペティション部門出品作品『マンティコア』は孤独なゲームデザイナーの恋の行方を描く。

10月24日(月)~11月2日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区地区で開催される第35回東京国際映画祭。コンペティション部門は、2022年1月以降に完成した長編映画を対象に、107の国と地域から応募された1,695本の中から、厳正な審査を経た15本の作品が期間中に上映される。

「マンティコア」とは、人間の顔で体がライオンという想像上の怪物のこと―。印象的なポスターにはタイトルのマンティコアの姿が大きく描かれている。ゲームに登場するモンスターのキャラクターのデザイナーとして成功をおさめているフリアンは他人には言えない秘密を抱えていた。ある日、パーティー会場でボーイッシュな少女ディアナと出会う。家庭に問題を抱えているディアナの相談に乗るうちに次第に惹かれ何もかも順調に進むと思うが―。

本作は人間の弱みや癖が描かれており、人は何かに影響され、その感情や行動を変えるのも人間なのだと感じさせる。人間の表の顔とうちに秘めている部分を、主演ナチョ・サンチェスは表情や目、立ち振る舞いまでも表現しきっていた。また、ディアナを演じたゾーイ・ステインのクラブでのダンスシーンはスペインならではのフラメンコのようなダンスでショートヘアにスタイルを生かした服装がとても魅力的で観ているものを引き込む。

『マジカル・ガール』(14)でサンセバスチャン国際映画祭において最優秀作品賞を受賞したスペインの俊英カルロス・ベルムトの最新作。また、ベルムト監督が日本が好きなこともあり、ホラー漫画家の伊藤潤二などの日本のワードが出てくるのでそちらも注目。

【文/片岡由布子】

第35回東京国際映画祭は2022年10月24日(月)~11月2日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催
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