『BLUE GIANT』の初日舞台挨拶が2月17日(金)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音、立川譲監督が登壇した。

2013年に石塚真一が「ビッグコミック」(小学館)で連載を開始した漫画「BLUE GIANT」(シリーズ累計920万部超)を、「最大の音量、最高の音質で、本物のジャズを届けたい」というスタッフの想いから劇場映画化。監督は、「モブサイコ100」シリーズや劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』(18)で注目の立川譲。脚本は、連載開始前からの担当編集者で、現在はstory directorとして作品に名を連ねるNUMBER 8。アニメーション制作は「幼女戦記」(17)などで注目のスタジオ・NUTが手掛け、音楽は世界的ピアニスト上原ひろみが担当することでも注目を集めている。さらに、主人公・宮本大の声には、原作を読みひたむきに夢を追う大の姿に自身もシンパシーを感じていたという山田裕貴。大が東京で出会うピアニスト・沢辺雪祈に間宮祥太朗、そして大に感化されドラムを始める玉田俊二を岡山天音と、数々の話題作に出演し、目覚ましい活躍をみせる豪華俳優陣がキャラクターに命を吹き込む。

舞台挨拶には、テナーサックスで世界⼀のジャズプレーヤーを⽬指す主⼈公・宮本⼤の声を担当した⼭⽥裕貴、⼤が東京で出会う凄腕ピアニスト・沢辺雪祈役の間宮祥太朗、楽器未経験ながら⼤の情熱に感化されドラムをはじめる⽟⽥俊⼆役の岡⼭天⾳、⽴川譲監督が登壇した。

山田は「自分の声を聞いてもらいたいというよりも、『BLUE GIANT』を早く見て欲しい。原作好きな自分としてもそうだし、音楽チームのみなさんの演奏が魂を揺さぶるものを感じられると思う。初めてジャズに触れる方も、普段聞いている方ももちろん楽しめると思う。早く『BLUE GIANT』が持っている魂みたいなものを感じて欲しいと思っていた」と公開を喜んだ。間宮は「音楽が持つ力をすごく感じて。コロナでライブが中止になったり、声出しがダメになったりあったけど、この映画を観て芸術を作り出して熱狂することは素晴らしいことだと思った」と話し、岡山は「声で参加させてもらうのは不思議な感覚。この作品の歯車の一つとして携われたのは本当に嬉しいです。もともとファンだったというのもあるんですけど、もっと『BLUE GIANT』が広くいろんな方たちに届くことを嬉しく思う」と感慨深げな様子だった。

原作が好きだという山田は「ラストのライブシーンは台本を読んでも泣いて。声を入れる前の動画を見させていたぢても泣いて。アフレコの時も入れながら泣いて。完成版を見ても泣いて。どんだけすごいんだ、この作品の力は。劇場で見たらどうなっちゃうんだろうと」と言い、SNSに寄せられている感想を見て「伝わるんだなと。そういう人たちがいるというだけでこういう仕事をやっている意味がある」と語った。

そんなキャスト陣のアフレコについて「どんどん上達していく様子を肌で感じました」と振り返る立川監督は「キャラクターから出ている感じの声に聞こえるんです。山田さんは山田さんの声なんですけど、(山田が演じる)大の声に聞こえる。絶妙なバランスで、天性の腹から出ている声がそのまんまという感じ」と大絶賛した。また、間宮についても「顔から出ているイケメン感。本当にイケメンボイスでこれはモテるだろうなと」と語るなど「3人ともバラバラで、バラバラなのがいい」と3人を称賛した。

本作に参加したことで改めて知ったお互いの一面もあったようで、山田について「なかなかいない人」と表現した岡山は「うまくいかない瞬間があったんですけど、『あー、なんでだ!』みたいな」と明かすと「言っちゃうんだよね、心の声を」と返す山田。岡山は「みんなが応援したくなっちゃう。すごくかっこいいと思いました」と語った。

また、間宮は山田について「ずっとネクストブレイク欄にいるよねみたいな。自分もそうだったので親近感があったんですけど、ここまで真摯に世の中だったり、自分自身と向き合ってるのは、改めて痛感したすごいなと思った部分でした」と明かした。

その山田は「見る視点がいろんな角度を持ってる。天音くんにしかない感性とか世界観を持ってる。もっと知りたくなる」と語った。一方で間宮については「動物的なイメージ、虎のような。虎っぽくない?」と話す山田に「阪神タイガースファンだもん」と笑いを誘いつつ、山田は「動物的感覚とか本能、嗅覚を感じ取る中で冷静な彼がいる。感覚派かと思ったら思考派でもある、共存しているんだなと。年下なんですけど僕より全然大人っぽく見えるのがうらやましい」と印象を挙げた。

イベントの終盤では、原作者・石塚真一からの手紙が披露され、山田は「原作の先生がどう思うかめちゃくちゃ気になる。先生が思っているものを映し出せたのならよかった」と安堵の表情を浮かべた。

また、山田は本作について「この作品を表す言葉が、言葉になればなるほどちっちゃくなってしまうんじゃないかと思うくらい『BLUE GIANT』は大きなものを持ってると思う。音楽もそうですが、“言葉じゃねえ”と感じさせてくれる映画。『BLUE GIANT』を見に来た、聞きに来た人しか持って帰れない感想があると思う。みなさんでこの『BLUE GIANT』を青く大きく…今うまくまとまりそうだったのに(笑)」と考えつつ、「青く大きく光る炎のような作品にしていただければ嬉しいです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『BLUE GIANT』は全国で公開中
配給:東宝映像事業部
©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館