東野圭吾原作のサスペンス・エンターテイメント『ある閉ざされた雪の山荘で』の場面写真が解禁された。

東野圭吾が1992年に発表した『ある閉ざされた雪の山荘で』を実写映画化した本作。登場人物が全員役者であり、彼らが挑む新作舞台の主役の座をかけたオーディションの最終選考が、“大雪で外部との接触が断たれた山荘”という架空の密室空間で行われる設定で、書籍発売当時大きな話題となった。主人公・久我和幸を演じるのは重岡大毅。共演には、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗ら同世代の人気俳優たちが集結している。メガホンをとるのは飯塚健。

1月12日(金)の公開週末3日間(1月12日~14日)に2.19億円の興行収入を記録し、実写邦画第1位となる大ヒットスタートを切った本作。2週目も引き続き好調な成績をキープし、週末3日間(1月19日~21日)で動員8万3800人(週末動員ランキング5位)、4億4155万円まで興行収入を伸ばした。

今回、大ヒットスタートを記念して事件解決の鍵を握る(!?)劇中の重要シーンが解禁された。映像は、不穏な空気漂う1日目の夜を迎えたメンバーたちの様子を捉えている。多くの舞台俳優たちが憧れる劇団「水滸」の次回公演最終オーディションという指示を受けて、山荘に集められた7人のメンバーたち。さらにそこで、「大雪に閉ざされて外部と連絡ができない」という設定を与えられた彼らは、それぞれの部屋で1日目の夜を過ごすことになる。
重岡大毅演じる主人公・久我和幸は、劇団「水滸」の過去の公演のパンフレットを見つめる様子が。その視線の先には、圧倒的な演技力を持つ天才女優でありながら、なぜか今回のオーディションには参加していない麻倉雅美(森川葵)が…。真面目で優しい劇団のリーダー・雨宮恭介(戸塚純貴)はノートにペンを走らせ、唯一劇団員でない久我について「どのレベル…?」と疑問を書き込む。一方で、強烈な存在感を放つクセあり怪優・田所義雄(岡山天音)は、ベッドの上に落ちている埃に気づくと、念入りに取り除く神経質な一面が明らかに。

そのころ、田所が想いを寄せるお嬢様女優・元村由梨江(西野七瀬)は早々にアイマスクをつけてベッドで眠る様子が描かれ、由梨江と同室である超勝気な女優・笠原温子(堀田真由)はひとりでピアノを演奏している姿が。一方で、直前に温子と口論をしたばかりの中西貴子(中条あやみ)は、自分の部屋に戻ったものの、まだ不満を残している様子がうかがえる。そして常に中心にいる劇団のトップ俳優・本多雄一(間宮祥太朗)は、過去の公演の集合写真を、意味深な目で見つめ…。彼らがそれぞれ何を考えているのか、そしてそれぞれの複雑な関係性が垣間見えるシーンとなっている。

そんな彼らの様子を、観客が同時に把握するために編み出されたのが、今回解禁された映像の最後にある俯瞰シーンだ。建物の見取り図のような線だけで描かれた空間で俳優が演技するシークエンスで、撮影クルーの間では同様のアングルが登場するラース・フォン・トリアー作品にちなんで“ドッグヴィル”と呼ばれていた。今回その“ドッグヴィル”のメイキング写真も解禁された。倉庫の中に作られた見取り図の上で、俳優陣が実際に立ってそれぞれの部屋の中で過ごす様子を演じる姿を捉えている。

この撮影方法について、飯塚監督は「誰がどの部屋で何をしているのか、一枚画で見せたいと思ったんです」と明かす。「物語の中であっても、登場人物たちにはルーティンが必要です。朝は食堂に集まり、夜になったら各部屋に戻る。その中で変化していく。誰かが誰かに疑念を膨らます。同時にお客さんも疑念を持つ。持ちつつ、自分の思考を整理し、推理する。そんな時間をつくるためのカットでもあります。誰かと誰かがすれ違えば何か話すだろうし、隣の部屋から音が聞こえてくれば、それを聞こうと耳を澄ます。とは言え、ひとつの画面の中で同時に起こるので、人によって違うものを観ているだろうし、そのことで次の展開を観る視点も変わってくるはずです」と語る通り、俯瞰シーンでは一度にさまざまなドラマが起こるため、意外な”見落とし”が生まれてしまう瞬間でもある。1日目の夜に一人の劇団員が姿を消したことで事件が動き出す本作。ここにも重要なヒントが隠されており、改めて見直すと、次の展開の見え方が変わる重要なシーンとなっている。

本編映像

『ある閉ざされた雪の山荘で』は2024年1月12日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督:飯塚健
出演:重岡大毅
中条あやみ、岡山天音、西野七瀬
堀田真由、戸塚純貴、森川葵
間宮祥太朗
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024映画『ある閉ざされた雪の山荘で』製作委員会 ©東野圭吾/講談社