『ある閉ざされた雪の山荘で』の公開記念舞台挨拶が1月13日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、重岡大毅、間宮祥太朗、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、飯塚健監督が登壇した。

東野圭吾が1992年に発表した『ある閉ざされた雪の山荘で』を実写映画化した本作。登場人物が全員役者であり、彼らが挑む新作舞台の主役の座をかけたオーディションの最終選考が、“大雪で外部との接触が断たれた山荘”という架空の密室空間で行われる設定が大きな話題となった。トリックや人物描写の複雑さから映像化不可能と長年思われていたが、原作者も「見事」と唸るサスペンス・エンターテインメントが誕生した。主人公・久我和幸を演じるのは重岡大毅。映画単独初主演となる本作では、オーディションに参加する俳優の7人の中で唯一、異なる劇団から参加した“部外者”である久我を熱演。さらに、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗らが共演する。

12日に公開を迎えた本作に、「ちょっとふわふわしています」という重岡は「去年から公開日をずっと楽しみにしていたんです。公開されてうれしく、幸せな気持ちです」と前のめりに挨拶し、さらに上映後ということで「ずっと言いたかったんですけどしゃべれなかったから」と興奮気味に語ると大きな拍手が寄せられ、感慨深げな様子を見せた。

食事のシーンでは「豪華なご飯が多かった」という重岡だが、「食べちゃったんです。食べたいじゃないですか、食べるシーンだから」という戸塚は「つながりがあって、一回食べてしまうと何度も食べないといけない。結構食べました。夜ご飯はいかないくらい食べました」と振り返った。これに間宮は「(撮影後に)『飯食いに行こう』と言ったんです。ステーキが出てくるシーンで何テイクも繰り返して、何枚も食べて、10(テイク)近くやって。『行かないわ』って飯断られた」と明かした。

一方で「『お芝居だけじゃ食べていけないんで、こっちが本業です』とフランベしているシーンで思いっきり焦げて。僕は気づいていなかったんです」と前髪を焦がしてしまったという重岡は「初めて人に大きい声で『くさっ!』って言われて、チリチリになっていたんです」と驚かせた。さらに「チリチリになってその日にヘアカットしたんです。つながりで気づかなかったでしょ?これも二重三重のトリックなんです。スクリーンに映る全てが伏線です」と笑いを誘った。

劇中では堀田と戸塚とのシーンが多かったという西野は「車でのシーンが印象的です」といい、その撮影時には「どんな子供だったのか、反抗期はあったのかという話をしました」と明かし、堀田も「高校時代に何をしていたのかとか」と笑顔で振り返った。

窓の外を見た時に雪が降っていたというシーンの撮影では「本番で外を見たら雪が降ってきてテンションがあがりました。原作のファンでもあったので運命を感じちゃって」という中条だが「誰もよろこんでいないから、みんな心が汚いのかなと」と笑いを誘った。これに西野は「スタッフさんが振らせたのかと思っていました」と勘違いしていたという。

また、重岡は「ラストシーンに向けてみんな作っていっている。撮影した日は覚えていて。ラストは前向きなメッセージもあったと思うし、届けばいいなと思う」と好きなシーンを挙げた。

最後に重岡は「朝起きていつも通りな日常で現場に来たんですけど、みんないて監督もいて。映画に関わってくださるチームがいて、ものすごい数の人がいて、観てくれているたくさんの人がいて、当たり前じゃないなというのを感じて、現実味もないくらいいろいろな人が公開のためにいろいろな人のいろいろな思いが乗っているので、見に来ていただいてありがとうございます。すごいうれしいです。たくさんの方に観ていただけることを願ってワクワクしながら過ごしたいと思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『ある閉ざされた雪の山荘で』は全国で公開中
監督:飯塚健
出演:重岡大毅
中条あやみ、岡山天音、西野七瀬
堀田真由、戸塚純貴、森川葵
間宮祥太朗
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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