絶望を、笑え―『波紋』の本予告映像と本ビジュアルが解禁された。

本作は、荻上直子監督のオリジナル最新作にして、監督自身が歴代最高の脚本と自負する絶望エンタテインメント。須藤依子(筒井真理子)は、今朝も1ミリ違わず砂に波紋を描いている。庭に作った枯山水の手入れは、依子の毎朝の習慣であった。“緑命会”という水を信仰する新興宗教に傾倒し、日々の祈りと勉強会に勤しみながら、依子はひとり穏やかに暮らしていた。ある日、長いこと失踪したままだった夫・修(光石研)が突然帰ってくるまでは―。

今回解禁された本予告映像は、日々の家事や介護をこなす所謂一般的な主婦である依子(筒井真理子)の元から、夫・修(光石研)が突然失踪するシーンから始まる。十数年後、信仰する新興宗教が崇める「緑命水」という水の力と、庭の枯山水に波紋を描くという日課を心の拠り所とし穏やかな日々を取り戻していた依子の元に、失踪した夫が帰ってくる。自分の父の介護を押し付けたまま失踪し、「実はがんなんだよ」と死んだ義父の遺産をあてにする夫、また息子の拓哉(磯村勇斗)が障害のある彼女を結婚相手として連れてくるシーンなど、依子の日常が崩れていく様子が描かれる。

より新興宗教に傾倒する依子に「インチキなんだよ!」と怒鳴る夫に、「あなたがしたこと、なかったことにはならないから」と詰め寄る依子。言い合う2人の足元に広がる波紋は、不穏で禍々しい展開を予感させる。そして怒りに震える依子の表情から一変、依子の甲高い笑い声とともに、パート仲間の水木(木野花)の「やっちまおう」という台詞やゴミで荒れた部屋、踊り狂う依子、さらに登場人物たちの奇妙な笑顔のシーンが次々と畳み掛けられる展開に目が離せない映像となっている。

本予告映像

『波紋』は2023年5月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督・脚本:荻上直子
出演:筒井真理子、光石研、磯村勇斗/安藤玉恵、江口のりこ、平岩紙、津田絵理奈、花王おさむ、柄本明/木野花、キムラ緑子
配給:ショウゲート
©2022 映画「波紋」フィルムパートナーズ