坂口健太郎主演映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』のスペシャルインタビュー&メイキング映像が解禁された。

『サイド バイ サイド』=隣同士で/一緒に という題名を冠された本作は、リアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」が息づく物語。行定勲と数々の作品を作り出してきた伊藤ちひろがオリジナル脚本を書き下ろし、監督も務めた。美術・装飾スタッフ出身である伊藤監督の感性が光る詩的な映像世界の主人公を演じるのは、坂口健太郎。不思議な力を持ち、傷ついた人を癒す青年・未山を、柔らかな雰囲気で魅せる。更に、かつて起きたある事件がきっかけで、未山の前から姿を消していた元恋人・莉子を、乃木坂46からの卒業発表後初の映画出演となる齋藤飛鳥が演じる。そのほか、未山と共に生活を共にしている看護師の恋人・詩織に市川実日子、未山の高校時代の後輩であり、ミュージシャンとして活動している草鹿に浅香航大。詩織の娘・美々(みみ)に磯村アメリといった個性的なキャストが名を連ねる。

今回、坂口健太郎、齋藤飛鳥、市川実日子、伊藤ちひろ監督、さらにはプロデューサーの行定勲へのインタビューと、メイキング・本編映像を組み合わせた公開記念スペシャル映像が解禁された。それぞれの役に対する想いや、キャスティング秘話などここでしか明かされていないエピソードがつまった特別映像となっている。

出演が決まった際の第一印象はそれぞれバラバラだったようで、監督からの“当て書き”だったこともあり、作品のイメージなどの前談を知っていた坂口とは異なり、市川は「生きる、自然、人と人。おもしろい着眼点の監督だな」、齋藤は「役にはめて俳優を選ぶことが多いが、監督の坂口さんへの熱量を感じて、あたたかそうだと思い、やってみようかなと思った」と、それぞれ撮影前の気持ちを明かす。

主人公の“未山”というキャラクターについて「登場人物達の反射の様な存在」を演じる事を伊藤監督から求められたと坂口が話すように、詩織と莉子、人によって異なる表情を見せる未山のワンシーンも登場する。プロデューサーの行定は、そんな未山のキャラクターを「輪郭が薄い、それが未山の死生観に繋がっていると感じさせることに成功しているのがすごい」と評した上で、「それは坂口健太郎の力量でもあるし、監督・伊藤ちひろのイメージしたものが凄く面白い」と、伊藤ちひろ監督と坂口健太郎ならではのタッグを絶賛。

『映像研には手を出すな!』(20)以来、久々の映画出演となった齋藤は、自身が演じた莉子という女性について「ただの闇を抱えている女の子じゃなくて、時が止まっている感じ、年を取らない感じを見せたい。私の中に莉子に近いものがあると思ってくださっていたので、そのままでいいですよと言ってくださってました」と監督からリクエストがあったことを明かす。伊藤監督は齋藤について「莉子は難しい役」と言いつつ、「齋藤さんが元々持っている少女性、危うさ、芯の強さが莉子にピッタリ」だったという。プロデューサーの行定も伊藤監督が「(齋藤に)魅了されるんだよね」と語っていたことを明かし、本映像内でも撮影中の齋藤の様子やその表情が垣間見えるシーンがいくつかあり、見どころのひとつとなっている。

未山と生活をともにする恋人・詩織の人物像に関しては、監督から「自然の中で暮らす、逞しい女性」を求められたと言う市川。「エネルギッシュで表情とか言葉とか端々に溢れる人が良かったので、実日子さんしかいなかった」と、ここでも唯一無二のキャスティングだったことを明かす監督。「時の止まった」莉子、「逞しく暮らしてきた」詩織、「ただそこに存在している」未山、人それぞれで印象が変わる3人の登場人物に対して、坂口が「結構難易度高かったな」と振り返りつつも、市川は「ヒントを与えて、自分で考えるというのが演出だったのかも」と、難易度の高い役作りながらも前向きに取り組んだ様子を明かす。

最後に伊藤監督は、コロナ禍を経て生まれたこの作品を通し、「自分の隣にいてくれる人の大切さについて考える、そういう気持ちに寄り添える作品になれたら」と、坂口は「監督の感覚や考えを凄く噛み砕いてお芝居に乗せたことが、楽しかったし、すごく考えたし、余白がこんなにある作品になった。観てもらえるのが本当に楽しみ」とメッセージを送り、作品への想いが溢れる映像を締めくくった。

スペシャルインタビュー&メイキング映像

『サイド バイ サイド 隣にいる人』は全国で公開中
監督・脚本・原案:伊藤ちひろ
出演:坂口健太郎
齋藤飛鳥、浅香航大、磯村アメリ
市川実日子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023『サイド バイ サイド』製作委員会