『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』の完成披露舞台挨拶が5月31日(水)にテアトル新宿で行われ、伊藤沙莉、竹野内豊、内田英治監督、片山慎三監督、主題歌を担当するDa-iCEの工藤大輝が登壇した。

新宿ゴールデン街、三番街にある小さなバー「カールモール」のカウンターに立つ女マリコ(伊藤沙莉)。日々バーテンとして常連の相手をしているが、実はもう一つの顔を持っていた。それは探偵稼業。 ある日とある組織から「歌舞伎町に紛れ込んだ宇宙人を探してくれ」という依頼をうけ、恋人の自称忍者MASAYA(竹野内豊)の協力のもと、宇宙人に迫っていくのだが…。主演は伊藤沙莉、その恋人役に竹野内豊。ほかに、北村有起哉、宇野祥平、久保史緒里(乃木坂46)、松浦祐也、高野洸らが共演。主題歌はDa-iCEの「ハイボールブギ」。次々と巻き起こる予測不能な出来事、それぞれのストーリーが複雑に絡み合いやがて1本の線として繋がり、オフビートな笑いと感動の涙を巻き起こす異色エンタメが誕生する。

冒頭では「企画の立ち上げからはずいぶん経ってからやっと実現した作品だったので、(撮影に)入れることがうれしかった」と挨拶した伊藤は、本作でバーのママ兼探偵を演じているが「スナックのママをやりたかったからできたことも、探偵もうれしかった」と振り返った。一方で「ワクワクしつつ、現場がどうなるのか全く想像がつかなかった」と脚本への印象を語った。

自称・忍者を演じる竹野内は「僕自身もビックリしました(笑)」と笑い、「現代劇で忍者役、どういうことだと」と困惑もあった様子だった。その中で「完成するまでがとにかく楽しみでした。撮影中に共演していたキャストみんなが言っていました。想像している以上のものができあがるんじゃないかなとワクワクしていました」と明かした。

その竹野内との共演について伊藤は「MASAYAとして存在してくださっていたので、マリコとして愛おしく思っていました。MASAYAがやることがかわいいんです。“竹野内さんがこれをやるんだ”ということが詰まっていたので、ギャップを楽しんでいました」と撮影を振り返り、内田監督は「おもしろいことをしてくれるので。応えてくれるので」と竹野内について語った。

本作はこれまでに海外の映画祭でも評価されているが、残念ながら現地を訪れることができていない伊藤は「作品だけでも行けてうれしいです」と笑顔を見せた。内田監督は「僕だけ楽しんで申し訳ない(笑)」と笑いつつ「上映中も笑ったり、すごく盛り上がって自信を持っちゃいました。反応がおもしろかったです」と現地を訪れた印象を語った。

また、イベントには主題歌「ハイボールブギ」の作詞作曲を担当し、Da-iCEのリーダーである工藤が登壇。楽曲を作りにあたって本作を観たという工藤は「ポジティブなカオスを感じました。場所柄にもカオス味を感じるので楽曲を作るのであればカオスな楽曲にしたいと、曲調を変則的にしたり、いろいろなところでカオスを感じられるように作った」と語った。その楽曲を聞いた伊藤は「めちゃくちゃしびれました。すごい好きな曲ですし、好きな曲調。読めない感じがすごい好き」と絶賛し、竹野内は「カオスをふんだんに取り入れたというのは今聞いて納得するものがありました」と頷いた。

最後に伊藤は「すごく大切な作品ですし、いろいろなフィクションをかき集めるとこんなにノンフィクションな感じの雰囲気が作られるんだなと。そういう楽しみ方もしました。どんな感想が生まれるのか楽しみです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』は2023年6月30日(金)よりテアトル新宿ほか全国で公開
監督:内田英治、片山慎三
出演:伊藤沙莉、北村有起哉、宇野祥平、久保史緒里(乃木坂46)、松浦祐也、高野洸、中原果南、島田桃依、伊島空、黒石高大、真宮葉月、阿部顕嵐、鈴木聖奈、石田佳央、竹野内豊
配給:東映ビデオ
©2023「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」製作委員会