『キリエのうた』の完成報告イベントが7月11日(火)に都内で行われ、アイナ・ジ・エンド、松村北斗(SixTONES)、黒木華、広瀬すず、粗品(霜降り明星)、大塚愛、江口洋介、吉瀬美智子、奥菜恵、浅田美代子、北村有起哉、岩井俊二監督が登壇した。

岩井俊二監督最新作の主人公は、路上のミュージシャン。人気絶頂のタイミングで解散する“楽器を持たないパンクバンド”BiSHとして活躍しながら、ソロとしても活動の場を広げる異色のアーティストのアイナ・ジ・エンドを主演に抜擢、松村北斗、黒木華、広瀬すずらがメインキャストとして出演する。

今回のイベントには既に出演が発表されているアイナ・ジ・エンド、松村北斗、黒木華、広瀬すずに加えて、追加キャストとして発表された大塚愛、江口洋介、吉瀬美智子、奥菜恵、浅田美代子、北村有起哉が登壇、MCを本作に出演する粗品が務めた。

主演を務めるアイナは「錚々たるみなさんを目の前にすると覇気がすごくて、階段の隅っこで呼吸を整えないと出てこれないくらい緊張していました」と明かした。本作で映画初主演を務めるにあたって「音楽が大好きでロックンロール一辺倒みたいな人だったんですけど、そんな私を岩井さんが見つけて下さって、拾ってくださって、夢みたいだなと。でもこれを夢で終わらせちゃいけないんだと。広瀬すずちゃんと松村北斗さんがそばにいてくださったので、お芝居をリードしてもらってなんとかやり遂げられた。本当に素敵な経験をさせていただきました」と振り返った。

松村は岩井監督の現場に「初めて映画が面白いものかもしれないと気づいたのが岩井さんの『リップヴァンウィンクルの花嫁』だったので、そこから岩井さんの映画ばかり見ていた時代があって。日々自分を取り込みながら作られていくのは刺激的でしたし、人生にとってとんでもない思い出の一つです」と語った。これに岩井監督は「うれしすぎる」と笑顔を見せた。

そんな岩井監督について広瀬は「少年のような、でもいつも疲れ果てています(笑)頭がぐるぐる回っている姿を現場でじーっと見続ける時間が岩井組特有の時間だなと思います」という広瀬。これに岩井監督は「ここ数週間徹夜続きで」と笑って返した。

また、松村と親子役を演じる吉瀬は「顔が似ている」という声を聞いたといい、岩井監督は「親子関係をキャスティングするときは“DNAがつながってるな”というところを意識する」と語った。これに松村も吉瀬と似ているということを「言っていただくことがあります」と明かしつつ、「松村北斗を育成成功したら江口洋介さんになると言ってくださることがある」と、本作で自身の伯父を演じた江口の名前を挙げた。

豪華キャストが揃った本作だが、岩井監督は「去年6月くらいから編集を始めて、丸一年編集を続けているんですけど飽きることがないです。みなさんの表現力というか。毎日見ていても飽きない1年間だったので、これがみなさんの魅力だろうなとしみじみと噛みしめてウルっときています」と語った。

さらに、イベントではアイナが主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」(Acoustic short ver.)を歌唱。松村は「劇中でなかなか生歌を聞く機会が多くなかったんですけど、ワンシーン隣で聞いたときがあってその時を思い出して」といい、初めて聞いたという黒木は「生で聞くとゾワゾワってしています」と語った。また、広瀬は「周りの環境だったり、景色や温度を吸収して表現される方なので、現場とは違う声と魂を見ることができてうれしかったです」と語った。

【写真・文/編集部】

『キリエのうた』は2023年10月13日(金)より公開
原作・脚本・監督:岩井俊二
出演:アイナ・ジ・エンド、松村北斗、黒木華/広瀬すず
村上虹郎、松浦祐也、笠原秀幸、粗品(霜降り明星)、矢山花、七尾旅人、ロバート キャンベル、大塚愛、安藤裕子、鈴木慶一、水越けいこ
江口洋介、吉瀬美智子、樋口真嗣、奥菜恵、浅田美代子、石井竜也、豊原功補、松本まりか、北村有起哉
配給:東映
©2023 Kyrie Film Band