ディズニー創立100周年記念企画『ディズニー100 フィルム・フェスティバル』の開幕直前イベントが9月24日(日)に新宿ピカデリーで行われ、松たか子、山寺宏一、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 バイスプレジデント&ゼネラルマネージャーの目黒敦が登壇、さらにミッキーマウスとミニーマウスがサプライズで登場した。

10月7日(土)より10月の毎週末に全国100か所の映画館で開催される『ディズニー100 フィルム・フェスティバル』では、これまでにディズニーが届けてきた長編アニメーション作品全61作品の中から、時代を超えて愛され続ける8作品が上映される。

今回のイベントには、『アナと雪の女王』シリーズでエルサの日本語吹替声優を務めた松たか子と、ドナルドダックをはじめ、『アラジン』のジーニー、『リロ&スティッチ』のスティッチなど、数々のキャラクターの日本語吹替声優を務めてきた山寺宏一が登壇した。

イベントの冒頭では、ステージに登場したミッキーマウスとミニーマウスが、客席にいる目黒を見つけてステージ上に案内。その後、松と山寺が登壇し、会場を沸かせた。ドナルドダックやジーニー、スティッチなどの吹替を担当していることが紹介された山寺は「主に青系のキャラクターを担当させていただいています。やっぱりミッキー、ミニーは大スターですね。ドナルドとしては嫉妬もありますけど」と笑いを誘った。『アナと雪の女王』のエルサの声を担当する松も「私も寒色系のキャラクターを担当させていただいています」と続け、会場を沸かせた。

2020年に行われた第92回アカデミー賞授賞式で『アナと雪の女王2』の「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」を各国のキャストとともに歌唱した松だが、「見てました、各国の方々と歌われて」とコメントする山寺に、松は「エルサたちが本当に明るくて、前向きに考えていく人たちで楽しかったです。私は出番が終わってすぐに帰ってしまって、みんなは『スタジオに見学に行く。なんで帰るの!』と言われながら(笑)」と振り返った。

ディズニー・アニメーションの魅力について「観た人が、“わー”って思えたり、“わー”の気持ちを呼び起こさせてくれる力がある。それを作り出し続けられる魔法のような力があります」とコメント。「一言では難しい」と話す山寺は「人類みんなが楽しめる。年齢とか国とか何も関係ない。それと圧倒的なクオリティ。ストーリー性、ユーモアのセンスがあったり、メッセージ性もある。テクノロジーのすごさと人が作っている温かさがある」と熱弁した。

一方で、ボイスキャストとして仕事として向き合うことについて、多くのキャラクターを担当する山寺は「とても光栄です。その反面プレッシャーと言いますか。オリジナルのキャストの方も選び抜かれたすごい方がやっている」といい、「歴史に残っていくわけなので、ちゃんとやらないと大変なことになる。声優のやることはたくさんある作業の中でごく一部だと思うんですけど、作品のクオリティを上げるのは難しいけれど、ダメにするのは簡単だと思うので心して挑む」と明かした。松は「修行の山にこもる感じです。レコーディングでは画面とマイクに向かえって必死に歌ったりしゃべったり。覚悟していかなきゃいけない山みたいな」と表現した。

また、印象深いセリフについては、『アナと雪の女王』のオラフのセリフで「愛っていうのは自分より人のことを大切に思うことだよ」を挙げた松は「無邪気なキャラクターから本質的なことを言われると、どんな人も素直に言葉を聞ける。優しい言葉だと思ってすごく好きなシーンで、言葉です」と答えた。

『アラジン』でのジーニーのセリフとして「どんな魔法も、どんな宝物も自由にはかなわない」を挙げた山寺は「このセリフはランプの精という自分の立場のことを言っているんでしょうけど、秩序とかルールは大事だと思いますけど、基本的には自由で何者にも支配されたり抑圧されるべきではないと思いますし、自分の意志で決めていくべきだと思うけど、世の中そうなっていたことがあったり」といい、「もっと自由に発想していいのに、いろいろなことに凝り固まっている自分がいる。自由なんだよというのを思い出す、ジーニーはいつもそばにいる感じがしている」と語った。

さらに、“夢と魔法”ともう一つの言葉として“今後100年ディズニーに期待したいことを聞かれ、「感動」を届けたいと答えた目黒は「それぞれの方がディズニーのストーリーやキャラクターから感じていただいて自ら動くパワーになれば」といい、12月15日(金)に公開される『ウィッシュ』について「願いというものはとても大事なことですが、願いながら自ら動いていくというメッセージがある素晴らしい作品」とアピールした。

「勇気」と答えた松は「ディズニー作品に出てくるプリンセスは孤独だったり、心の中に抱えて戦っているプリンセスもいて、一歩踏み出す勇気をもっていて、ほんのちょっとの勇気さえあれば扉は開けるのかなとプリンセスたちから学ぶので」、山寺は「平和の象徴」と答え「エンターテインメントは国境を超える共通言語だと思う」と語った。

最後に山寺は「いろいろなディズニー作品に関われたことを感謝したいと思いますし、応援してくれたみなさんに感謝したいです。劇場もありますけど、ディズニープラスでいろいろ見れるので、いつでも見れますのでいい感想をいろいろなところでつぶやいていただけたらうれしいです」、松は「『アナと雪の女王』という作品を通して素晴らしいキャラクター、キャストたちと出会うことができました。その感謝とともにこのフェスティバルの成功を祈っています」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

上映日・上映作品

10月7日(土) 『アナと雪の女王』
10月8日(日) 『ベイマックス』
10月14日(土) 『シンデレラ』
10月15日(日) 『モアナと伝説の海』
10月21日(土) 『リトル・マーメイド』
10月22日(日) 『ズートピア』
10月28日(土) 『塔の上のラプンツェル』
10月29日(日) 『ファンタジア』
※『ファンタジア』のみ2D字幕版、ほかは2D吹替版で上映

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