第36回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが11月1日(水)にTOHOシネマズ日比谷で行われた。

10月23日(月)~11月1日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区地区で開催された第36回東京国際映画祭。今回のクロージングセレモニーでは各部門の受賞者・作品が発表された。

東京グランプリ/東京都知事賞が贈られたのは『雪豹』。授賞式には5月に急逝したペマ・ツェテン監督に代わり、キャストらが登壇し、「この賞をいただきありがとうございます。監督はここに来ることができませんでした。しかし、いただいたこの賞はペマ・ツェテン監督が私たちに与えてくれた賞だと思います」「ペマ・ツェテン監督の遺志を継いでこれからも映画を作っていきたい」とコメントした。

審査委員特別賞は『タタミ』が受賞。共同監督を務めたアル・ザミール監督とガイ・ナッティヴ監督からはビデオメッセージが寄せられた。最優秀監督賞は『正欲』の岸善幸監督が受賞。岸監督は「名誉ある賞をいただけてこれからの映画作りに励みになります」「この作品を観て多様性の意味を見なさんに考えていただけたらうれしいです。これからもいろいろな映画をいろいろなテーマで作っていきたいと思います」とコメントした。

最優秀女優賞が贈られたのは『タタミ』のザル・アミール。ザル・アミールからはビデオメッセージが寄せられ、「私にとって大きな意味を持つ賞です。俳優というというのはアスリートに似ていると思いました」と喜びのコメント。また、最優秀男優賞は『ロクサナ』のヤスナ・ミルターマスブに贈られた。

観客の投票で選ばれた観客賞は『正欲』に贈られた。岸監督は「多様性という言葉にはじかれてしまうようなマイノリティの中のマイノリティ、小さな人間たちを題材にしています。言葉だけはなく、この映画を観てたくさんの人が多様性の本当の意味を感じていただければ」と喜びのコメントを寄せ、「素敵な賞をいただけて幸せです」と締めた。

また、最優秀芸術貢献賞が『ロングショット』に贈られ、アジアの未来 作品賞は『マリア』が受賞した。審査委員長を務めたヴィム・ヴェンダースは「審査委員長を務められたことを光栄に思います。満場一致で賞を選ぶことができました。素晴らしい作品を数を多く観ることができました。東京国際映画祭が大好きです、」とコメントした。

今年で3年目の設置となったAmazon Prime Video テイクワン賞は『Gone wit the Wind』(ヤン・リーピン監督)に贈られた。また、当初予定がなかった審査員特別賞が設けられ、『ビー・プリペアード』(安村栄美監督)が受賞した。

なお、第36回となる今年の上映動員数と上映作品数(速報値、11月1日は見込み動員数)は、10日間で74,841人/219本(第35回 59,541人/174本)。

受賞結果

コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞『雪豹』
審査委員特別賞『タタミ』
最優秀監督賞『正欲』岸善幸監督
最優秀女優賞『タタミ』ザル・アミール
最優秀男優賞『ロクサナ』ヤスナ・ミルターマスブ
最優秀芸術貢献賞『ロングショット』
観客賞『正欲』
アジアの未来部門
作品賞『マリア』
Amazon Prime Video
テイクワン賞『Gone with the Wind』
審査員特別賞『ビー・プリペアード』

【写真・文/編集部】

第36回東京国際映画祭は2023年10月23日(月)~11月1日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催