『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の完成披露試写会が11月28日(火)にユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、福原遥、水上恒司、伊藤健太郎、嶋﨑斗亜、上川周作、小野塚勇人、出口夏希、松坂慶子、成田洋一監督が登壇、さらにサプライズ花束ゲストとして福山雅治が登場した。

初めて恋をした人は、特攻隊員でした―。親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの女子高生・百合(福原遥)。ある日母親と喧嘩をして家出をし、目が覚めるとそこは1945年、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、彼の誠実さや優しさにどんどん惹かれていく百合。だが彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だった―。シリーズ累計発行部数85万部となった汐見夏衛によるベストセラー「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(スターツ出版文庫)を福原遥、水上恒司のW主演で映画化した本作。監督は長編映画は2作目となる成田洋一。

「早く観ていただきたいと思っていたのでうれしいです」と笑顔を見せた福原は「たくさんの方の力が加わって出来上がった作品なので大切に届けていきたい」、水上も「今日という日を迎えられてうれしい」と挨拶した。その水上は、撮影現場には弁当を持参していたというが「役作りとして(体重を)落とさないといけないと思って。撮影期間中はカロリーを計算して自分で弁当を作ってがんばりました」と明かした。

作中には野球のシーンもあるが、撮影では「時代にあったグローブを使わせていただいていた。薄いんです。手がしびれちゃって」と明かす伊藤。これに水上は「僕らは撮影前にノックとかしたんですけど、伊藤さんは一番遅れてきたので気合いが足りないのかなという剛速球でした」と笑いを誘った。また、「撮影場所が旧校舎かな?すごい怖い校舎で(水上と嶋﨑の)2人で寒いなって言いながら怪談話をしました」という水上だが、嶋﨑は「一番大事なところで呼ばれる」と明かし、水上も「オチは全然話せていない」と笑った。

和気あいあいとしたキャスト陣だが「原作の登場人物が若々しくて気持ちがまっすぐで、自分の10代の初めの頃を思い出すようでワクワクして読んだ」と振り返る松坂は「みなさんピュアな真っ白な感情を持っている方たちで素敵でした」と笑顔を見せた。その松坂について、福原は「暖かく見守ってくださっていたので安心しました」、水上は「母のようにいてくださったので印象に残っています」という。

本作では福山雅治の書き下ろし楽曲『想望』が主題歌となっているが「信じられない」と話す水上と福原。そこでサプライズで花束を持った福山が登場すると騒然とする登壇者たち。福原は「すごい!」、水上も「本物だ」と笑顔を見せた。

主題歌について「作品から導かれるままに歌詞が出てきました」という福山は、本作について「若い世代が想像力を働かせてお芝居をすることで届いていくということに感動した」と語った。さらに、主題歌を提供するにあたっては「いかに描かれていない部分を提案することを心掛けている」という福山は「僕が彰をやるときはどんな気持ちなのかなと書いていきました」と歌詞に込めた思いを語った。一方で「夢や憧れで仕事は始まるんですけど、できることなら誰かの何かの役に立てばいいなと思ってやってる」といい、「少し気分転換になったと、そして日常をがんばろうと思って戻っていく」「最大限に与えられた役割をやり切ることが、平和に繋がっていく。微力かもしれませんが一歩なのかなと心掛けています」と自身の思いを語った。

福山が降壇すると、福原は「びっくりしましたよ。もう信じられますね(笑)さっきまで聞いていたんです、この曲を。やっとみなさんに届くんだなと思っていたのでまさか会えるなんて。幸せです」と感慨深げな様子を見せた。

最後に水上は「この作品は戦争の一部でしかありません」「この作品を見た後に優しい気持ちになって、愛にあふれた優しい世界になってくれたら」、福原は「この作品は愛に溢れています。普通に生活していることは当たり前じゃないんだな、すごく幸せなことなんだなと感じました。夢に向かって歩めることも幸せなことだと思います。この作品を見て、一日一日を大切に丁寧に過ごそうだったり、大切な人をもっと大事にしようと温かい思いを受け取っていただけたらうれしいです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は2023年12月8日(金)より公開
監督:成田洋一
出演:福原遥、水上恒司、伊藤健太郎、嶋﨑斗亜、上川周作、小野塚勇人、出口夏希、中嶋朋子、坪倉由幸/松坂慶子
配給:松竹
©2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会