『サイレントラブ』の完成披露試写会が1月10日(水)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、山田涼介、浜辺美波、野村周平、古田新太、内田英治監督が登壇した。

主人公の青年・蒼が心惹かれたのは、目が不自由になり夢が途絶えかけている音大生の美夏。ある出来事をきっかけに声を発することをやめた蒼は、美夏とのかけがえのない時間を過ごしていくが―。蒼と美夏が、静かに思いを紡いでいく、この冬一番切ないラブストーリー。主人公・蒼役にはラブストーリー映画初主演となる山田涼介。不慮の事故で目が不自由になり、絶望の中でもがくピアニスト志望の音大生・美夏役には浜辺美波。音楽は久石譲が担当し、優しくもどこか切ない音色が2人の物語に花を添える。

客席中央の通路を通って登壇したキャスト陣を、観客は大歓声とスティックバルーンで迎えた。声を発しない青年という難しい役どころに「現場で感じたものや触れたものをその場で表現しようと、何も構えずに現場に行って、監督に『死んだ魚のような目をして生きてほしい』と言われて」という山田は「初日に落とし込めた瞬間があった」と振り返った。その演技の中では「体温でお互いの気持ちを感じたり、2人のやり取りの中で人さし指を使って合図を送ったり。今までにあまり見たことがないラブストーリーになっている」と語った。

その山田は本作がラブストーリー初主演となるが「脚本が魅力的だった」といい、「自分にとって今後挑戦する機会がないんじゃないかなという思いがあって。声を発さない役、そして浜辺さんとラブストーリーをやるという関係値も今しかできないだろうし、今の自分に必要な作品なんじゃないかと特別な思いが沸き上がって」と出演を決めたという。

浜辺は、交通事故で目が不自由になるピアニスト志望の音大生役ということで「ピアノは3か月前から先生についていただいて必死に練習を重ねました。目が見えづらくなる役だったので、盲学校に見学に行かせていただいて、基礎を作り上げてから現場で山田さんや野村さんと、この瞬間にあってどういう感じ方をするのかと身を任せていた」と振り返った。実際に演じる上では「どれくらい距離が近いと人の体温を感じるんだろうと分からなくて現場に入るまで不安だった」といい、「近い距離に山田さんや野村さんがいらっしゃると気配でどっちがどつちかわかるくらい違うものがあって、実際に入ってみると納得できた。存在感の大きさを感じることができたので、2人が温かい存在でいてくれたのでスムーズに入っていけた」と明かした。

その撮影現場については「本当に静かな現場で、撮影期間中約1か月ちょっとありましたけど浜辺さんとお話した記憶がほとんどないくらい」という山田。浜辺も「待ち時間も2人で違う方向を見ていたり、別のこと考えているだろうなと会話はほぼなかった。今やっと素顔が見えた気がしています」と明かした。

また、今年の抱負を聞かれると「やりたいようにやりたいことをやっていく人間なので、先のことを決めるのは得意ではない」という山田は「まずは『サイレントラブ』という映画がたくさんの方に届いてくれればいいなと。たくさんの方に届けられるようにたくさん宣伝をする、が今の目標です」と語った。浜辺は「私も同じくそれをがんばることと、それが終わってから実家に帰省したい。去年あまり帰省できなかったので。改めて地元をホテルとって友達と旅行に行きたい。今年はちょっとシーズンをずらして」と明かした。

最後に山田は「静と動がはっきりしている映画で、人間のきれいな部分と影の部分を内田監督が素晴らしい形で表現しています。ポスターにいい意味で裏切られるんじゃないかというくらいビックリする映画です。心から楽しんでいただければ」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『サイレントラブ』は2024年1月26日(金)より全国で公開
原案・脚本・監督:内田英治
出演:山田涼介、浜辺美波
野村周平/吉村界人、SWAY、中島歩、円井わん 
辰巳琢郎/古田新太
配給:ギャガ
©2024「サイレントラブ」製作委員会