『シアター・プノンペン』

カンボジア激動の時代を生きた映画人たちの壮大なヒューマンドラマ『シアター・プノンペン』の予告編とポスタービジュアルが公開された。

カンボジアの首都プノンペンを舞台に、世界を揺るがせたクメール・ルージュの時代を懸命に生きた人々の数奇な運命を辿る本作。監督を務めるのは、カンボジア映画史上初の女性監督ソト・クォーリーカー。『トゥームレイダー』(2001)でラインプロデューサーを務めるなどハリウッドで活躍。本作で、第27回東京国際映画祭の国際交流基金アジアセンター特別賞をはじめ、数々の賞を受賞。国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭の共同プロジェクト、オムニバス映画企画“アジア三面鏡”において、行定勲監督とともに三人の監督の一人に選ばれるなど、将来が期待されている。

主人公のソポンを演じるのは、カンボジア期待の新鋭女優マー・リネット。初々しい魅力で多感な年頃の女子大生と、その母親の少女時代というニ役に挑み、本作で鮮烈な主演デビューを飾った。母親役はカンボジア映画界の大御所ディ・サヴェット。クメール・ルージュ時代を生き延びたカンボジア唯一の女優である。撮影が行われたシアター・プノンペンは、多くの映画人を見守ってきた実際の映画館で、かつては国立劇場として利用されてきた。往時は、“アジアのパリ”と呼ばれたプノンペン―。ネオンに揺れるエネルギッシュな街、深い緑に囲まれ静寂の中に佇む蓮の池。まさに現代と歴史が渾然となったカンボジアの“今”を、オールロケーションで見事に捉えている。

カンボジアの首都プノンペン。女子大生のソポンが廃墟のような映画館で見た古い恋愛映画。何とその主演女優は母だった!美しく輝いていた母の知られざる女優時代…。40年間も母を慕い続けている映画館主。映画の最終シーンが失われていることを知ったソポンは、映画を完成させようと決心する。今は病床に伏せる母の為に。だが、その時から、軍人の父、かつて母と愛し合った映画監督ソカなど、世界を揺るがせたクメール・ルージュの時代を懸命に生きた人々の、半世紀近くにも及ぶ数奇な運命が明らかになってゆく―。

『シアター・プノンペン』 (2)

『シアター・プノンペン』 (3)

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『シアター・プノンペン』ポスター

映画『シアター・プノンペン』は2016年7月2日(土)より岩波ホールにて公開!

監督:ソト・クォーリーカー
出演:マー・リネット、ソク・ソトゥン、トゥン・ゾービー
配給:パンドラ
2014年/カンボジア/105分

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