野村周平・賀来賢人W主演のちょっとアブナイ青春映画『森山中教習所』のトークイベントが28日（木）に新宿バルト9で行われ、野村周平、豊島圭介監督、原作者の真造圭伍が登壇した。

高校の同級生だったノーテンキな大学生・清高（野村周平）と、ネクラなヤクザ・轟木（賀来賢人）が、ある日とんでもない再会を果たし、同じ教習所に通うことになる。たった一度の短い夏休みがふたりの人生に与えたものは―。「月刊！スピリッツ」に連載された原作は、真造圭伍が23歳で描いたデビュー作。思いもよらない展開と驚くほどのさわやかさ、そして自由な絵柄が賞賛された。W主演として、野村周平と賀来賢人が同級生を演じる。監督は、『ソフトボーイ』『ヒーローマニア-生活-』とさまざまなジャンルの映像を自在に演出する豊島圭介。さらにグッドラックヘイワによる音楽と、星野源の主題歌「Friend Ship」が本作を彩る。

今回行われたイベントには、主演の野村周平、豊島圭介監督、原作者の真造圭伍の3人が登壇し、夏の暑さをふっとばす（！？）トークを繰り広げた。

気象庁から梅雨明けの発表がされたことに触れ、野村は「梅雨が明けて、今日も暑いですね」と挨拶。また豊島監督から「公園を自転車で走ってたんでしょ？」と振られると、野村は「走ってたんですけど、頭痛くなってきて。みなさんも熱中症に気を付けてください！」と話し、観客からは心配する声もこぼれた。

劇中で大学生の佐藤清高を演じる野村だが、その設定について真造は「普通のことに反応して、普通じゃないことに反応しないキャラとして描いていました。事故が起きても無反応」とコメント。そんな清高を実写で表現するのには苦労があったという豊島監督。「漫画としては雰囲気が出来ているけど、俳優が演じた時にどういう風に（演じてほしい）と言えないと思った」と明かした。しかし、実際に撮影に入ると「野村くんがいいようにやってくれて、清高が実写になるってこういうことなんだと思った」と野村に対して信頼を寄せていることを伺わせた。

野村は自身のキャラクターについて「映画向きだと思った」とコメントし、MCを務めた筒井プロデューサーが「清高が一番大変だった」と話すと、野村は「楽しかったら何でも出来るし、楽しくなかったら何も出来ない。みんなで作り上げた“清高”というのもあります」と撮影現場のチームワークの良さを語った。また、「リハーサルは事務所みたいなところでやったからリアルじゃない。セットに行くとリアル。“その場に行ってみないと分からない派俳優”なんで」と話し、笑いを誘った。

原作者である真造は実写の清高を見た感想を聞かれると「野村くんに似てますか？」と逆に質問で返し、野村は「似てるかは分からないけど、訳の分からない役は得意なんです。何考えてるのかよく分からないって言われるんですけど、一番傷つくんですよ。本当は気にしてるのに、そういうことを言われると気にする」と繊細な一面を明かした。

物語では、清高や轟木が成長していく姿が描かれているが、豊島監督は「一緒につるんで何かをすることはないけど、あの人が近くにいたから自分はこうしていられるというのを描きたかった」と語り、「一番ダメだったときに近くにいてあげられる、という設定にしたかった」と思いを明かした。

また、劇中で泥酔するシーンについて野村は「難しかった」と答え、「本当に酔ってはいないのでどういう風にやればいいのかなって思いましたし、隣に賀来くんがいたのでプレッシャーでした」と先輩に緊張していた様子。豊島監督から「麻生さんや岸井さんと芝居するときは？」と聞かれた野村は「麻生さんきれいだな、岸井ちゃんかわいいなって芝居してました。麻生さんはベテランなので甘えてましたね」と明かした。

ラストシーンについて、原作のシーンが好きだという野村は「映画は青春っぽい。いい終わり方」と満足している様子。「映画は別物ですもんね」と語った真造だが、「ここ2～3年は映画化を糧にがんばった」と映画化が自身にとって重要なものであることをアピールした。また、真造は本作を何度も鑑賞したといい、野村が「渋谷で見ました」と話すと、真造も「僕も見ました」とコメントする場面もあった。

最後に野村は「公開から3週間です。ありがたい気持ちでいっぱい」と感謝の気持ちを述べてイベントは終了した