中井圭、清水くるみ、松崎健夫

『私の少女時代-OUR TIMES-』のトークイベントが12月9日(金)に新宿武蔵野館で行われ、女優の清水くるみ、映画評論家の松崎健夫、映画解説者の中井圭が登壇した。

海外作品のトークショーに登壇するのは初めてだと明かした清水は「台湾映画の“叶わなかった恋が輝かしい”みたいな描き方が本当に好き。水風船のシーンがめっちゃくちゃ好き!」と熱く語ると、自身も水風船を買い大学の友人に「お湯風船やろ!」と誘ったが「却下されました(笑)」と笑いを誘う。

松崎は台湾の最近の青春映画について『あの頃君を追いかけた』や『若葉のころ』と同じく本作が好きで、最近の傑作映画には“大人の視点からかつての自分を見ている”という共通点があると推測し、清水もこれに頷きを見せた。本作は90年代と現代の時間軸があり、視点が変わる点について中井は「別の視点が入ることによって青春映画は本質的な光を放つ」と解説し「年を取ってくると、もう帰ってこないあの頃の輝きが見えてくる。この視点が映画の中に入ってくるかが青春映画では非常に重要」だと語った。

中井は「叶わない感の方が残る。恋なんて始まったら終わると思っていて、そのほうがキュンとする」と恋について語ると「100の恋があったとして上手くいくケースは1か0しかない。失恋を描いている方が人は共感できる」と持論を展開するも、清水は納得いかない様子を見せ「女の子って追いかけてるのが好き。切なくて苦しい、でも振り向いてほしい!みたいなときが一番楽しい時で女子トークが弾むときですね」と女子大生目線で切り返した。

最後に松崎は本作を観て「夢があるのに何だろうな・・・と思ってる方がいたら1歩踏み出してみて、この映画を観て考えていただいたらいいなと思います」と夢で悩んでいる人の背中を押し、清水は「叶わなかった恋は輝かしいと思う。また10年後に観たらまた違う風に思うのかな。あと、はやく水風船やりたいなと思いました(笑)」と語り、会場は温かい笑いに包まれた。

台湾映画界から誕生したピュアなラブストーリーである『私の少女時代-OUR TIMES-』。ヒロインの林真心は、仕事も恋愛も空回り気味のOLだが、ある夜ラジオから流れるアンディ・ラウの歌声を聞き、“少女時代”の思い出がよみがえる。そして待ち受けていた思いがけないサプライズとは―。台湾で公開されるや4億台湾ドル(約13億円)の大ヒットを記録し、2015年のNo.1ヒット記録を樹立した。さらに中国、香港、韓国でも大ヒットを記録。真心を演じるビビアン・ソンは、上海映画評論家協会賞で主演女優賞を受賞するなど期待の新鋭女優のひとり。

【取材・写真・文/蔭山勝也】

清水くるみ

松崎健夫

中井圭


映画『私の少女時代-OUR TIMES-』は新宿武蔵野館ほか全国で順次公開中!
監督:フランキー・チェン
出演:ビビアン・ソン、ダレン・ワン、ディノ・リー、特別出演:アンディ・ラウ、ジェリー・イェン
配給:ココロヲ・動かす・映画社 ○
2015年/台湾/134分
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