『沈黙-サイレンス-』のロングラン上映を記念した舞台挨拶が2月27日(月)に角川シネマ有楽町で行われ、窪塚洋介が登壇した。

舞台挨拶が行われる前に、ロサンゼルスで行われた第89回アカデミー賞で<撮影賞>にノミネートされていた本作。残念ながら受賞は逃したが、窪塚は「賞はおまけみたいなもの、作品がどうなのかが一番大事」とコメント。続けて「一流の人たちとの仕事がどんなものか、史上最後の巨匠とも言えるスコセッシ監督を支えるチームの素晴らしさを思い知らされた」振り返り「(撮影担当の)ロドリゴさんのセンスや画角、ひらめきは素晴らしかったが、それ以上に誰よりも早く日本語を覚えようとしてくれたことがすごく励みになった。それは紛れもなく、スコセッシ監督が僕ら日本人に対して払ってくれた敬意そのものだった。その一役を担っていたのがロドリゴさん」と敬意を表した。

本作の舞台となった長崎を訪れた経験について「隠れキリシタンの方々とお会いして、枯松神社をはじめいろいろと案内してもらいました。彼らに伝わるオラショというお祈りに一緒に参加させてもらったのですが、(弾圧下で隠れて信仰していたため)仏教のように手を合わせながら親指をクロスさせて十字を作っていたんです。それからお墓のところに小石がバラバラにおいてあって、お参りするときはそれを十字に並べて終わるとまたバラバラに崩すんです」と現代も続く“隠れキリシタン”の文化について語った。

さらに「“隠れキリシタン”というのは現代においては一つの宗派のようになっていて、彼ら独自の祈りのスタイルが確立されているんですね。この映画がきっかけで、いろいろな人々から注目が集まっていますと嬉しそうに話してくれました。もちろんそれは僕も同じで、この作品と出会ったことで大きな力をもらって、新しいステージに辿り着いたような気がしています」と、自身と隠れキリシタンの人々との交流やそこから受けた影響について語った。

今後の自身の活動について、昨年10周年を迎えた卍LINEは、ミュージックビデオの撮影を行ったばかりだと明かした窪塚。待機作『リタ・ヘイワ-スと手榴弾(仮)』については「4月からクランクインだと聞いているのですがまだスケジュールが出なくて、騙されてるのかな、とまた思ったりしています。とりあえずヒゲだけは伸ばして準備しておこうと。こんな時代ですし、1年先に何があるかわかりませんが楽しんでいければと思っています。何があるかわからないこの時代を生きる秘訣といっては偉そうですが、その答えがこの作品にたくさん込められていると思いますので、皆さんそれをたっぷりと感じていただけたらと思います」とメッセージを送った。

戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)をマーティン・スコセッシが映画化した本作。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために、たどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本。人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描く。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーに加え、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮ら実力派豪華キャストが集結。

映画『沈黙-サイレンス-』は絶賛上映中!
監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
Photo Credit Kerry Brown
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