世界中の芸術家に大きな影響を与えたアメリカの詩人の生涯を描いた『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』が7月29日(土)より全国で順次公開されることが決定し、併せてポスタービジュアルと予告編が解禁された。

北米の小さな町アマストで、白いドレスを着て、美しい自然につつまれた屋敷から出ることなく、生前にわずか10篇の詩を発表したのみで無名のうちに亡くなったエミリ・ディキンスン。後に、彼女の部屋の引き出しから約1800篇の詩が発見された―。主人公エミリ・ディキンスンを演じるのはシンシア・ニクソン。人気TVシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」のミランダ役でエミー賞助演女優賞を受賞しているシンシアは、ディキンスンの熱心な愛読者であり、難しい役柄に果敢に挑んだ。監督は、イギリスの名匠テレンス・デイヴィス。本作の撮影は、ディキンスン一家が実際に暮らした屋敷とスタジオで行われた。約20篇の彼女の詩を織り込み、少女時代から詩作を心の拠りどころにした晩年から死までを描く。

彼女の詩は、自然や信仰、愛や死をテーマに、繊細な感性と深い思索のなかで記された。その独特のスタイルからは詩作への強い信念が感じられる。生前に評価されることはほとんどなかったが、いまや文芸にとどまらず、多くの芸術家の作品に影響を与えている。武満徹、サイモン&ガーファンクル、ターシャ・テューダー、スヌーピー生みの親であるチャールズ・シュルツ、ウディ・アレンなど、ディキンスンからの影響は計り知れない。さらに今年はニューヨークの美術館モルガン・ライブラリーで大規模な回顧展が開催されるなど、世界的にディキンスンが再評価されている。

今回解禁されたポスタービジュアルには、部屋に引きこもりながらも、内側から世界を見つめ詩作を続けたディキンスンの窓辺に佇む姿が使われている。また、予告編は「これは世界にあてた私の手紙です 私に一度も手紙をくれたことのない世界への―」という詩の一節から始まり、19世紀の重厚な生活様式、時代の細部までをも再現した美しい映像とともに、愛する家族や友人、ときに心を揺り動かされる男性の存在を垣間見せながら、孤独のなかで情熱的に詩作に取り組み、内面世界を豊かに生きていくディキンスンの姿が切り取られている。人生と死、そして永遠を真正面から見つめつづる孤独な魂の運命は、リアルなまでに観る者の琴線にふれるだろう。

映画『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』は2017年7月29日(土)より岩波ホールほか全国で順次公開!
監督:テレンス・デイヴィス
出演:シンシア・ニクソン、ジェニファー・イーリー、キース・キャラダイン
配給:アルバトロス・フィルム/ミモザフィルムズ
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