世界でいちばん新しいアコースティック楽器スティールパンを描いたドキュメンタリー『スティールパンの惑星』が9月23日(土)より公開されることが決定した。

トリニダード・トバゴの著名な作家であるキム・ジョンソン脚本のドキュメンタリー・ドラマである本作。ドラム缶を盗んでゲットーまでの坂道を駆け戻った音楽が好きすぎる少年たちの冒険からすべては始まった。1940年代、イギリスの植民地、アメリカの軍事基地だった島。スティールパンは貧困と抑圧のなかから生まれた。アフリカのドラムは禁止されていた。それでも音のでるものならなんでも、叩いて叩きまくる。そのリズムへの情熱が まったく新しい楽器を作りだした。カーニバルの熱狂と興奮。カリブ海最南端のちっぽけな島トリニダード・トバゴで生まれた、世界でいちばん新しいアコースティック楽器スティールパン。その創世と今を、時空を超えて描くドキュメンタリー・ドラマとして仕上げた。

そして今、スティールパンはピース&ラブのシンボルになった。世界一を決める大会、パノラマで150を超えるバンドが競いあう。120人編成のオーケストラがひとつになる夜。そしてたった一曲のために、世界中からプレイヤーたちが集まってくる。8分間のなかに永遠を探すために、アメリカ、フランス、日本、そしてトリニダードからスティールパンに魅せられはじめてパノラマに参加するプレイヤーたちを追いかけるドキュメントのなかで、現在と過去が交錯する。誰もレゲエミュージックを知らなかった時にやってきた映画。ハーダー・ゼイ・カムやロッカーズのように、この映画は新しい扉をあけるだろう。暴力と抗争の時代を生きたレジェンドたちの貴重なインタビューが、なぜこの楽器が生まれなければならなかったかを語る。世界にはまだ私たちの知らないパラダイスがある。そしてそこには音楽がある―。

Rankin Taxi(Reggae-DeeJay)コメント

最初から55ガロン缶ではなかった?つまりあのでかいドラム缶が一世を風靡し続けているのはスティールパンで勝ち上がりたい若者の無邪気な野心のおかげだったのだ、バンザイアフリカン・ブラッドだな。島国根性の裏返しだけど「オレが一番」「オレのチームが一番」「オレの町が一番」「オレの国が一番」で切磋琢磨して注意深く暴力を排除して音楽愛の花咲かせました、という教訓がこの惑星にはとても重要なテーマかと思いました。

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)コメント

一見摩訶不思議な楽器、スティール・ドラムの誕生、この楽器がトリニダードの社会で今も持ち続ける地位、毎年開催される大会の熾烈な競争、その大会に無謀にも参加する若い日本人女性の存在等々、一部再現ドラマを含むちょっと変わり種のドキュメンタリーですが、とても興味深い作品です。

原田芳宏(スティールパンプレイヤー/作・編曲家)コメント

スティールパンの生い立ちに胸が熱くなる。そしてパンの新しい広がりに心踊る。物語と記録を融合させた語り口にいつの間にか引き込まれ、トリニダードに帰ったような気分にさせてくれる。偉大な人たちの言葉に触れられて音楽もいい。パンの過去を知り今を伝える素晴らしい映画です。

EXILE ÜSAコメント

優しくて美しい音色は頭蓋骨の隅々まで響き渡る熱いリズムへと昇華し僕らの血を踊らす。その眩いばかり
の光の影には虐げられた人々の涙が隠れていた。たとえ全てを奪われたとしても彼らの魂は奪えなかった。
この映画でスティールパンの歴史と今を知り僕も魂が揺さぶられた。


映画『スティールパンの惑星』は2017年9月23日(土)よりアップリンク渋谷にて公開!
監督:ジェローム・ギオ&ティエリー・テストン
出演:レイ・ホルマン、アンディ・ナレル、レン“ブグジー”シャープ、レナルド“レッド”フレドリック、エヴァ・ゴールドスティーン、二ノ宮千紘、ジョバンニ・クレアモント
配給:LIME Records
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