マーティン・ブレゲンツァー

現在開催中の「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017」で開催の特別企画「ヨーロッパから見た日本映画」に合わせて来日している、「ニッポン・コネクション」のプログラム・ディレクターであるマーティン・ブレゲンツァーに単独インタビューを行った。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、2004年にスタートして今年で14回目を迎える。若手映像クリエイターの登竜門として、映像表現の可能性とエンターテインメント性を備えた作品を上映する国際コンペティション映画祭。メインとなるコンペティション部門は、長編部門、短編部門、アニメーション部門が設けられている。特別企画「ヨーロッパから見た日本映画」は、「ニッポン・コネクション」と連携し、同映画祭でニッポン・ヴィジョンズ観客賞を受賞した映画『Start Line』を上映するほか、同映画祭のプログラムディレクターを務めるマーティン・ブレゲンツァーとSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の土川勉ディレクターによるトークイベントが行われた。

「ニッポン・コネクション」はドイツ・フランクフルトで毎年開催されている世界最大の日本映画祭。2016年の第16回では100作品以上が上映され、16.000人を超える来場者を記録している。また、日本からは50人以上のゲストが参加して舞台挨拶が行われるなど、ドイツにいながら日本映画の“今”を知ることが出来る貴重な機会となっている。

今回、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017への参加に合わせて来日した、ニッポン・コネクションでプログラム・ディレクターを務めるマーティン・ブレゲンツァーは、以前より何度も来日しており、本映画祭のプログラミング・ディレクターを務める長谷川敏行とは東京国際映画祭で出会ったという。それ以来「いい関係を築けていて、我々の映画祭で『SKIP CITY SHORT』というプログラムで、SKIPシティ映画祭の短編作品を上映している」という。さらに、今回のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭においても「興味をひかれた映画があった」と気になる発言もあった。

「ニッポン・コネクション」は日本映画の特集上映という面を持ちながらも、コンペティションとして賞を授与する映画祭でもある。そもそもは「(主要なスポンサーである)メッツラーというプライベートバンクからアプローチをいただいた」と明かし、それ以外にも「“次回監督作品の字幕をつける”という賞もあります。映画祭として監督を応援したい」とその熱意を語った。また、日本映画のみに絞った映画祭が17年間ン続いていることについては「非常に献身的なスタッフがいるから」と語り「ボランティアを含めて100人以上のスタッフがいる」と明かした。

今年の「ニッポン・コネクション」では『シン・ゴジラ』や『この世界の片隅に』など日本でも大ヒットを記録した映画から『湯を沸かすほどの熱い愛』『永い言い訳』、さらに『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』など多種多様な作品が上映された。中でも人気の作品は「やはり大作です。有名な監督作品が人気です」と明かすマーティン。さらにこの映画祭を知らない人に紹介すると「『知っている監督がいたかな?』と日本映画を観るには知識がないと分からないという目で見られることがある」と明かし、その壁を取り払うべく「『予備知識がなくても観れるんですよ』と言っています」と語った。また、今年の「ニッポン・コネクション」では『永い言い訳』が受賞したがこれには「誰にでも受ける映画ではないと思ったので、私は嬉しかった」と笑顔を見せた。

さらにドイツの映画事情として「若い人はハリウッド映画をよく見ていて、ドイツ映画はあまり見ないと思います。ドイツ映画でヒットしているのはシリーズ作品だったり、児童文学でずっと人気があって続いているもの」と明かし、さらに「いわゆるアート系の作品は若い人は見ない」と語った。ただ「最近だと『ありがとう、トニ・エルドマン』はヒットしています」とコメント。最後に“これからの日本映画に期待すること”を伺ったところ「前よりいい映画が出てきてくれると嬉しいです(笑)」と冗談を交えて答えたのち「特定のものを期待しているわけではありませんが、我々の使命としては偏らないものを見せていきたいなと思っています。日本の現代を映し出すものを上映していきたいと思います」と、自身が所属する「ニッポン・コネクション」の今後について語った。

インタビューの全文は後日掲載します。
記事掲載後、このページにリンクを掲載します。

マーティン・ブレゲンツァー


「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017」は2017年7月15日(土)~23日(日)にSKIPシティ 映像ホール(埼玉県川口市)ほかにて開催!