若かりし頃のカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの活躍を描いた映画『マルクス・エンゲルス』の予告編とメインビジュアルが解禁された。

産業革命が生んだ社会構造のひずみが経済格差をもたらし、貧困の嵐が吹き荒れていた1840年代のヨーロッパ。26歳のカール・マルクスは独自の経済論を展開し、ドイツを追われてたどり着いたフランスでエンゲルスと運命の出会いを果たし、やがて時代を超えて読み継がれる「共産党宣言」誕生の夜明け前へと連なっていく―。二人が「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」という有名な言葉で始まる『共産党宣言』を執筆するまでの日々をドラマティックに描く本作。世界の分断が進み、経済格差、人種差別といった未曾有の世界的秩序の崩壊が雪崩をおこしつつある21世紀のいま、カール・マルクスが私たちに伝えることとは―。

今回解禁された予告編では、26才のマルクスと24才のエンゲルスの初めての出会いや、時代の先頭を切る二人の様子が捉えられている。新たなスローガンを掲げる胸を打つシーンなど躍動感溢れるシーンも垣間見える。また、併せて解禁されたビジュアルは、若々しくも堂々とした佇まいのマルクス、さらに同じく若きエンゲルス、マルクスの妻イェニーが登場し、歴史上の人物として晩年の肖像画のイメージが強いマルクスとエンゲルスだけに、若く活気に溢れる姿が印象的だ。

26歳のカール・マルクスは、その過激な言動により妻と共にドイツ政府から国を追われる。1844年、彼はパリで若きフリードリヒ・エンゲルスに出会う。マンチェスターの紡績工場のオーナーの子息であった彼は、イギリスのプロレタリアート(労働階級)について研究中の身であった。しかし階級も生まれも違うエンゲルスとの運命の出会いは、マルクスが構築しつつあった新世界のビジョンの、最後のピースをもたらすことになる。マルクスとエンゲルスはやがて、政治的暴動や動乱をかいくぐって、まったく新しい労働運動の誕生を牽引してゆく。労働運動はそれまで単発的で組織化もされていなかったのだ。2人の若者が率いたこの運動は、ルネッサンス以来の、世界で最も完成された社会変動へと成長していく。

映画『マルクス・エンゲルス』は2018年4月28日(土)より岩波ホールほか全国で順次公開!
監督:ラウル・ペック
出演:アウグスト・ディール、シュテファン・コナルスケ
配給:ハーク
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