映画『キャッツ』の日本語吹替え版制作発表会が11月18日(月)に都内で行われ、葵わかな、山崎育三郎、高橋あず美、ロバート秋山、森崎ウィン、大貫勇輔、大竹しのぶ、日本語吹替え版音楽プロデューサーを務める蔦谷好位置が登壇した。

本作の吹替え版制作が許可されたのは日本を含めた2か国のみ。オリジナル版と同等のクオリティに仕上げるために、本国の制作チーム監修の下、歌唱力・表現力をチェックする厳しいテストが繰り返し行われ、日本を代表する実力派キャスト陣とクリエイター陣の参加が決定した。主人公ヴィクトリア役を演じるのは女優・葵わかな、猫たちのリーダーであるマンカストラップ役に山崎育三郎、名曲「メモリー」で魂の歌声を響かせるグリザベラ役には高橋あず美、ふとっちょでお金持ちのバストファージョーンズ役に秋山竜次(ロバート)、マジックが得意で気弱なミストフェリーズ役に森崎ウィン、働きもので鉄道をこよなく愛するスキンブルシャンクス役に大貫勇輔、そして猫たちの偉大な長老であるオールドデュトロノミー役に大竹しのぶさんが決定。数々のアーティストの楽曲アレンジ、プロデュースを手がける蔦谷好位置さんが日本語吹替え版音楽プロデュースを担当した。

今回の映画では、主人公・ヴィクトリアの目線で物語が進むが、そのヴィクトリアの吹替を担当する葵は「ヴィクトリアを通して見ているお客様を『キャッツ』の世界に誘えるような、みなさまがフィルターとして見れるようなキャラクターになれるように精一杯演じていきたいです」と意気込みを語った。すでに収録は始まっているようで、葵の収録時には「ジャンプをしながら歌ってくれた」と明かす蔦谷。葵自身も猫が大好きだと明かし、「ヴィクトリアがどういう猫なのか、どう成長していきたいのか心情が現れている」とコメントした。

吹替キャストを起用は、本国の監修のもとで行われているという本作。「音の響きを大事にしたいし、原作の文章は韻の踏み方が美しい」と制作の難しさを明かす蔦谷。そんな本作の吹替え版は日本を含む2か国でしか許可がされていないということについて「もう一つは?」と興味津々の大竹だが、自身の吹替については「ジュディ・デンチが演じた役を声だけとは言え演じられて幸せです。少しでもジュディに近づけるように」と謙虚ながらも本作への意気込みを語った。

また、ミュージカル俳優として数多くの作品に出演している山崎は、「ミュージカルは1000人とか2000人という劇場で表現することが多い」と録音ブースで歌うこととの違いを語り、さらに本作の収録時には「頭にバンドをつけて、マイクを仕込んで、体を動かしながら声を出しました。空間を感じやすく表現できるので、大画面を通して伝わっていくのが楽しみ」と独特な手法で取り組んでいることを明かした。

『キャッツ』において、非常に有名な楽曲でもある「メモリー」を歌うグリザベラの吹替を担当する高橋は、オリジナルキャストであるジェニファー・ハドソンに特別な思いがあるようで、18歳の時に見たジェニファーの歌う映像に「こんなにもソウルフルに歌えるんだと驚いて、この人のように歌いたいと思った」と振り返り、「その方の吹替で『メモリー』を歌えるのは私にとっては夢。プレッシャーもありますが、彼女と同じような気持ちで歌えれば」と気持ちを明かした。

会見では、トム・フーパ―監督からのメッセージ映像が流され、この映像を見た葵は「小さいお子さんに楽しんでいただけるのが(吹替え版の)いいところだと思います。猫人生を描いた作品で、歌とか踊りとか目で見て楽しめる」と改めて本作の魅力を語った。また、山崎は「昨今ミュージカルブームと言われていますが、その中でも最高のエンターテインメントです」と自信を見せた。

最後には高橋が蔦谷の伴奏で「メモリー」を披露し、会場を沸かせた。

1981年のロンドン初演以来、世界中で愛され続けるミュージカルの金字塔「キャッツ」。イギリスを代表する詩人でありノーベル文学賞を受賞したT・S・エリオットの詩集を元に、アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲、キャメロン・マッキントッシュがプロデュースを手がけた奇跡の作品が、超豪華キャストとスタッフの手により映画化。主人公の美しい白猫のヴィクトリア役には、英国ロイヤルバレエ団でプリンシパルを務め、本作が映画初出演となるフランチェスカ・ヘイワード。ジェニファー・ハドソンがグリザベラ役を演じるほか、映画、音楽、ダンスなど多彩なジャンルから選び抜かれた珠玉のキャスト陣が個性豊かな猫たちを演じる。

【写真・文/編集部】

映画『キャッツ』は2020年1月24日(金)より全国で公開!
監督:トム・フーパー
出演:ジェームズ・コーデン、ジュディ・デンチ、ジェイソン・デルーロ、イドリス・エルバ、ジェニファー・ハドソン、イアン・マッケラン、テイラー・スウィフト、レベル・ウィルソン、フランチェスカ・ヘイワード
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