『舟を編む』『町田くんの世界』の石井裕也監督最新作『生きちゃった』が来年公開されることが決定し、併せてポスタービジュアルが解禁された。

「何が起こるか想像もできない」現代日本の恐ろしさ、滑稽さ、そして、愛。二人の男と一人の女。寄る辺なきこの人生で本当に大切なものとは?主演を務めるのは、映画、舞台、ドラマなどの出演オファーが相次ぎ、数多の映画監督から愛され、インディペンデント映画から大作映画にまで幅広く出演し、『町田くんの世界』に続いての石井組となる仲野太賀。共演に、『葛城事件』や『愛がなんだ』などに出演し、唯一無二の存在感と比類なき演技力を持つ若葉竜也。2人は2017年の『南瓜とマヨネーズ』以来の共演。

監督を務めるのは、商業映画デビュー作の『川の底からこんにちは』で第53回ブルーリボン賞の監督賞を史上最年少で受賞したことを皮切りに、『舟を編む』『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』といった作品を手がけ、国内外の数々の映画賞を受賞してきた石井裕也。本作は石井監督待望のオリジナル脚本による新作で「忖度や制約ゼロ、完全なる自由の中で作った」映画。

2019年6月、上海国際映画祭にて「B2B(Back to Basics)A Love Supreme」=「原点回帰。至上の愛」という名の全く新しい試みのプロジェクトが発表された。このプロジェクトは、香港国際映画祭(HKIFFS)と中国のHeaven Picturesが共同出資し、各映画製作者に同じ予算が割り当てられ、「映画製作の原点回帰」を探求するというコンセプトのもと、アジアの名だたる監督たちが各々映画制作を行う、これまでになかった斬新かつ先鋭的な映画を生み出すため映画制作プロジェクト。

あらゆる条件に縛られず、映画の素晴らしい可能性と創造性を再発見しようというチャレンジに賛同し、参加を表明したのは台湾の名匠ツァイ・ ミンリャン監督、韓国系中国人のチャン・リュル監督、中国のヤン・ジン監督、マレーシアのタン・チュイムイ監督、香港のフィリップ・ユン監督そして日本の石井裕也監督。プロジェクト名にもある通り、計6名の監督たちが独自の「愛」についての映画を製作する。

本作『生きちゃった』は2020年に全国で公開され、さらに『All the Things We Never Said』という英語タイトルで、中国及び香港、台湾、マカオなど、世界各国の劇場で公開される。

石井裕也(監督)コメント

忖度や制約ゼロ、完全なる自由の中で映画を作ったらどうなるのか? 強度の高い傑作になるのか、はたまた独りよがりの映画になるのか。大いに興味が湧き、このプロジェクトを引き受けました。
「作りたい」という衝動と熱が何より大切だと思ったので、脚本は3日間で一気に書いて、信頼している仲間を急いで集めて、やると決めてから2ヶ月でクランクインしました。まるで自主制作映画のように夢中になって撮影しました。おカネも時間もなかったですが、とにかくみんなでフルパワーを出し合って捨て身でこの映画を作りました。出来上がったのは、俳優たちの凄まじい本気と魂が感じられる剥き出しの映画です。

仲野太賀 コメント

本当のことが言いづらいこの世界で、懸命に生きる父親を演じました。愛について真っ向から挑んだ、人間回帰の物語です。
若葉竜也さん、そして尊敬する石井裕也監督と共に、胸が張り裂けるような日々を過ごして作った今作が、きっと誰かを勇気づけると信じています。僕自身にとって、生涯大切にしたい映画になりました。

若葉竜也 コメント

オファーをもらい、台本を開いた時、石井裕也監督からの「果たし状」をもらったような気分でした。
「死ぬ気で来てよ。」って。
「生きちゃった」の台本にはそれだけの気迫があったし、役者の端くれとして「やらない」という選択肢はなかった。
毎日、全シーン、全カット、心血込めてやりました。
そしたら、、すごいラストシーン、撮れちゃった。

ストーリー

山田厚久(仲野太賀)と武田(若葉竜也)は幼馴染。厚久は結婚しており、5歳の娘がいる。平凡だがそれなりの生活。だがある日、厚久が会社を早退して家に帰ると、妻が見知らぬ男と情事に耽っていた。あまりにも急なことで、厚久は怒ることもできなければ悲しむこともできない。感情に蓋をすることしかできなかった。その日を境に厚久と妻、武田の関係は歪んでいき、物語は予期せぬ展開へと向かっていく・・・。

映画『生きちゃった』は2020年に全国で公開!
脚本・監督・プロデューサー:石井裕也
出演:仲野太賀、若葉竜也
配給:フィルムランド