Photo by Kevin Winter Getty Images


第72回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞『パラサイト 半地下の家族』が第92階アカデミー賞で作品賞を含む最多4部門を受賞し、その受賞と日本での大ヒットを受けて2月下旬にポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホが来日することが決定した。

全員失業中、“半地下”住宅で暮らす貧しい一家の長男が、IT企業を経営する超裕福な一家の家庭教師になったことから、次第に想像を遥かに超える悲喜劇へと展開していく本作。相反する2つの家族を軸に、いま世界が直面している貧富格差を痛烈に批判しつつ、コミカルさやサスペンス感など交え、圧倒的エンターテインメント性を持たせた物語展開で描き切った。主演を務めるのは、ポン・ジュノ監督とは『スノーピアサー』『グエムル -漢江の怪物-』『殺人の追憶』に続く4度目のタッグとなるソン・ガンホ。共演には『最後まで行く』『ソニはご機嫌ななめ』イ・ソンギュン、『後宮の秘密』チョ・ヨジョン、「オクジャ/okja」『新感染 ファイナル・エクスプレス』のチェ・ウシクら実力派の面々が脇を固める。

2月10日(月)[日本時間]に行われた第92回アカデミー賞授賞式で、作品賞、監督賞(ポン・ジュノ)、脚本賞(ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン)、国際長編映画賞の4部門を受賞した本作『パラサイト 半地下の家族』。外国語映画として始めて作品賞を受賞したほか、監督賞受賞はこれまでアジア人監督としてはアン・リー監督一人であったが、それに続いて史上2人目の快挙となった。

アカデミー賞作品賞に輝いたことについてポン・ジュノ監督は「最高です。信じられません。(このような賞を受賞できて)非常に光栄です。朝、目を覚ましたら全部夢だったんじゃないかって思えるぐらい現実味がないです。本当にすばらしいです。すでに人々は字幕という障壁を超えてきている。今後は、外国語映画が作品賞を受賞することが大したことじゃないようになったらいいと思う。ありがとうございます」と感謝の意を述べている。

韓国では動員1,000万人を突破し、フランスで170万人、全米でも3館からはじまった上映が1,000館を超え、外国語映画としては『アメリ』が記録した3,300万ドルを抜き去り、現在歴代第6位と各国で動員記録を塗り替える爆発的な盛り上がりを見せている。日本でも公開5週目に入ってもなお全国的に満席が続出しており、動員100万人を超え、興行収入15億円を突破している。

アカデミー賞での4冠、そして日本での大ヒットを受けて、ポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホが2月下旬に来日することが決定した。2人は12月下旬の日本公開直前にも来日し、記者会見や舞台挨拶に登壇している。

監督賞受賞コメント

【ポン・ジュノ監督】
ありがとうございます。小さい頃、英語の勉強をしていた時に肝に銘じていた言葉があります。「最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ」という、本で読んだ言葉です。これは、マーティン・スコセッシ監督の言葉です。学校では、スコセッシ監督の映画を観て勉強したのですが、今回こうして(監督賞に)一緒に候補になっただけでも嬉しく、光栄でした。受賞するとは思いませんでした。私がアメリカで無名な時に、いつも私の作品をリストに上げてくれたタランティーノ監督にも感謝したいです。本当にありがとうございます。

脚本賞受賞時コメント

【ポン・ジュノ監督】
大変な名誉です。シナリオを書くというのは、孤独な作業です。国を代表するために書くということはありませんが、これが韓国にとって初めてのオスカーとなりました。ありがとうございます。そして、いつも多くのインスピレーションをくれる妻に感謝します。この映画をここに連れてきてくれた『パラサイト半地下の家族』の俳優たちにも感謝します。
【共同脚本:ハン・ジヌウォン】
監督ありがとう、父母ありがとう。アメリカにはハリウッドがありますが、韓国には(映画の街)忠武路(チュンムロ)があります。この栄誉を忠武路に関わる映画製作者たちすべてと共有したいと思います。ありがとうございます。

国際長編映画賞受賞時コメント

【ポン・ジュノ監督】
ありがとうございます。大変な名誉です。外国語映画賞から国際長編映画賞へと部門の名前が変わりましたよね。はじめてこの国際長編映画賞を受賞できてうれしく思います。この名前は、象徴していると思います。アカデミー賞が目指している方向を称賛したいと思います。愛するソン・ガンホ氏をはじめとするキャスト、そして、撮影監督、プロダクションデザイナー関わってくれた芸術家たちに賛辞をお送りします。この後、たっぷり朝まで飲もうと思います。

映画『パラサイト 半地下の家族』は全国で公開中!
監督・共同脚本:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
配給:ビターズ・エンド
© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED