曜日ごとに異なる7人の僕たち―『水曜日が消えた』で長編商業デビューを飾った吉野耕平監督が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」にZoomにて初登場した。

『水曜日が消えた』は、1人の人間の内側で、曜日ごとに入れ替わって暮らしている7人の“僕”が主人公。他の“曜日”とは、直接会うことはできず、日記を通してのみ間接的に互いを知っている。そのうちの最も地味でつまらない1人、通称“火曜日”の視点を通して描かれていく世界の物語。主人公を演じるのは、「日経トレンディ」が選ぶ「2019年 来年の顔」に選出され、話題作への出演が相次ぐ中、『凪のお暇』のゴン役でも大きな話題を呼んだ中村倫也。メガホンをとるのは次の時代を担う気鋭の映像クリエイター100人を選出するプロジェクト「映像作家100人2019」に選ばれるなど注目を集める吉野耕平。

吉野監督は本作で脚本、VFXも担当。MCの折田は「吉野監督のCMやMVでのご活躍は拝見していたので、長編作品をずっと楽しみにしていました。いつくるんだろう、いつくるんだろうと・・・」と、かねてより期待感を募らせていたことを明かした。この作品の企画の成り立ちについては「いろいろと企画を持ち込んでいるときに、なかなか予算がかけられない中、エッジの効いた企画を求められていました。そこでたまたま『水曜日が消えた』の原型になるものが手元にあって、目に留めていただきましたね」と語る吉野監督。

この不可思議な物語の着想については「もともとは、“二重人格”の人間が主人公の物語を考えていました。例えば、“人格A”が起こしたトラブルを、“人格B”が解決していく・・・というような。それが何かのタイミングで、“各人格が特定の曜日にしか目覚めなかったらどうなるだろう?”ということを思いつきました。曜日で区切っていくと、世界はだいぶ違って見えるかなと」と吉野監督。

本作の魅力の一つには、なんと言っても七役を演じ分けた中村倫也の存在だ。彼の起用理由について監督は、「プロットを書いている段階からプロデュサーに、『この役を演じられるのは、中村倫也しかいません』と言われていました。僕自身も中村さんに、『この人はめちゃくちゃいろいろとできる人なんだな』という印象を持っていました。そのタイミングで彼の主演舞台を拝見し、『水曜日が消えた』の主人公のヒントになったような気もします」と語っている。主演が中村に決まったことで、本作の“主人公像”が膨らみ、作品自体が深みを増していったようだ。

活弁シネマ倶楽部
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映画『水曜日が消えた』は全国で公開中!
監督・脚本・VFX:吉野耕平
出演:中村倫也/石橋菜津美、中島歩、休日課長/深川麻衣、きたろう
配給:日活
©2020『水曜日が消えた』製作委員会