『連続ドラマW 夜がどれほど暗くても』の完成報告会が11月13日(金)に都内で行われ、上川隆也、加藤シゲアキ、岡田結実が登壇した。

原作は、映画『ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-』、映画『護られなかった者たちへ』、「連続ドラマW セイレーンの懺悔」など、次々に映像化が決定している中山七里の同名小説。上川隆也演じる主人公・志賀は、スクープを追う有名週刊誌の副編集長。仕事ぶりを評価され、順風満帆なジャーナリスト人生を歩んでいたが、ある日、事態は一変する。一人息子がストーカー殺人事件を起こし、被害者とともに自ら命を絶ったのだ。スクープを追う側だった志賀は、一転、追われる立場となる。凶悪事件の容疑者家族として、世間からバッシングを受ける日々。まさに絶望の淵に立たされる中、ある出来事をきっかけに事件の真相に迫っていくことになる。少しずつ浮かび上がっていく新しい真実。そして、深い闇の中で志賀が見つけた、一条の光とは。この物語は、単なる転落劇ではない。男の慟哭と執念が引き起こす奇跡の物語。

主人公・志賀を演じた上川は、自身の役どころについて「自分の人生が足元から崩れてしまうような役はこれまでのキャリアの中でも初めてだったので、日々志賀としての一挙手一投足を考えて演じることが楽しかったです」と説明。役作りは「監督やプロデューサー、色々な方に相談し、衣装合わせの段階からどんなキャラクター像にするか考えていきました。原作小説を読んだ方それぞれがイメージする志賀がいると思いますが、そんな皆さんの中の志賀のイメージをあわせていくような作り方をさせていただきました」と語った。

加藤は自身が演じる井波について「文芸から異動になった週刊誌記者で、ある種、新人というところから始まります。青臭いところが残る、視聴者にとっても共感してもらえる部分もあるキャラクターだと思います。井波にとって志賀という人物への印象もシーンごとに変わっていき、志賀に対する想いが複雑に動いていくので、その変化を大事に描いていこうと思いました」と語り、役作りにあたって、実際の週刊誌の編集部に見学へ行ったという加藤は「(実際の編集部は)とても独特な空気で、撮影現場に入ってそれがかなりリアルに再現されていると思いました。良くも悪くもほこりっぽい、人間を追い詰める、必死な汗が染みついているような・・・」と撮影セットの再現度の高さに言及。

上川からも「実際の編集部にお邪魔する機会はなかったですが、美術の方が取材して実際の風景を忠実に再現したセットが出来上がったそうです。加藤さんのお話を聞いて、やはりそうなんだ!と。編集部に貼ってあるスローガンにも是非注目していただきたいです」と補足。また、被害者遺族というシリアスな役どころの岡田は「役作りの経験があまりなかったのでどうしようか悩みました。奈々美は被害者遺族という立場なので、生半可な気持ちで演じるのは失礼だと思い、実際の被害者遺族の方の手記を沢山読み、歩み寄って演じようと心掛けました」と話した。

今回の共演に関して、加藤は「上川さんとの共演は大変勉強になりました。事前にいただいた、週刊誌記者に関する資料を読み込んで現場にいらっしゃっていました。自分の出演シーン以外の場面に関わることでもスタッフの方と話し合い、提案されていて、作品にかける想いが素晴らしかったです」と絶賛。すると上川も「加藤さんは非常に理路整然とした思考のもとに役を構築されていて、なんの不安もなくご一緒できました。休憩時間は凪のような佇まいで、安心感のある共演者でした」と褒め返した。

撮影外では「ほとんど役の話はしなかったですね(笑)」と加藤。上川も「お互いにアニメやゲームなど共通の趣味の話で盛り上がっていました。どんなゲームをやっているんですか?とか、どんな作品を観ているんですか?とか好みが似ていたり」と笑顔を見せた。すると岡田から「上川さんは演技中は真剣な眼差しなのに、趣味の話になると可愛らしいお顔になるんです(笑)ギャップがすごい!」との暴露も飛び出した。

本作にちなんで、“もし記者だったら追いかけてみたい人や物は?”という質問に上川は「ものづくりが好きなんです、なので、現場をはたからみていたい。なにかが出来上がっていく様をただただみていたい。言葉にならない技が織り込まれていく姿は他では享受できないと思います」と回答。加藤は「先輩の嵐の大野さんの個展を見に行かせていただいたいのですが、いつこれを描いていたのか!?と驚きました。簡単に数日でできるものではないので。いつどうやっているのか聞いても教えてくれないんですよ。こっそり密着したい」と答え、岡田は「生まれ変わったらバンドマンになりたいと決めているくらい興味があるので、曲を生み出す方の人生に密着したいです!」とそれぞれ回答。

最後に加藤は「大変な情勢の中で沢山の情報が渦巻くこの時代に、情報を発信する側、受け取る側の責任、その必要性を改めて感じられる素晴らしい作品だと、いち視聴者として思いました。是非、いまこそ観てほしい作品です」、岡田は「報道するメディアのことや、被害者・加害者家族のことをすごく繊細に描いていて、私自身も考えながら携わらせていただいた作品です。他人事ではなく自分の事かもしれないとひとつずつ考えながら、観ていただけたら嬉しいです」、上川は「受けさせていただいた理由のひとつは今まで演じたことがなかった役柄であったこと、もうひとつは脚本を全て読んだ時の読後感がとても良かったんです。さすが”どんでん返しの帝王”中山先生だなという作品になっていたことが何よりの理由でした。題材は重たいですし、それぞれの生き様は息苦しくなるようなものですが、最後までご覧いただいて、その観後感を楽しんでいただきたいと思っております」と本作をアピールした。

『連続ドラマW 夜がどれほど暗くても』は2020年11月22日(日)よりWOWOWプライムにて放送!
毎週日曜日22:00より放送(全4話)※第1話無料放送
監督:橋本一、谷口正晃
出演:上川隆也、加藤シゲアキ、岡田結実、鈴木浩介、霧島れいか、葉山奨之、辰巳雄大・高橋克実・高嶋政伸(特別出演)、羽田美智子、原田泰造