メイキング写真


村上春樹の短編を濱口竜介監督が映画化『ドライブ・マイ・カー』の場面写真とメイキング写真が解禁された。

本作は、商業映画デビュー作『寝ても覚めても』がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞に輝いた黒沢清監督『スパイの妻<劇場版>』では脚本も担当した濱口竜介監督の最新作。妻を失い、喪失感のなかで生きる舞台俳優の家福と、寡黙な専属ドライバーみさき。愛車サーブを通して出会った孤独な2人が、一筋の希望にたどり着くまでを描く心揺さぶる物語。西島秀俊を主演に迎え、三浦透子、岡田将生、霧島れいから実力派俳優陣が集結。

本作は、大部分の撮影を広島で敢行。日本が世界に誇る巨匠が手掛けた名建築や、瀬戸内の美しい町など、知られざる広島の魅力も存分に映し出されている。今回、広島のロケ地の魅力が詰まった場面写真や、広島での撮影の様子をとらえたメイキング写真が公開された。

広島国際会議場

家福(西島秀俊)が演出を手掛ける演劇祭の会場として登場。家福と専属ドライバーのみさきが初めて出会う場所でもある。広島平和記念公園敷地内にある国際会議場で、国立代々木競技場、東京都庁舎など数多くの国家プロジェクトを手掛けた巨匠・丹下健三が1955年に設計した「広島市公会堂」を、89年に建て替えた施設。公共建築百選にも選ばれている。

広島国際会議場

広島市 環境局中工場

劇中で家福とみさきが心を通わせる重要な場所として登場する、実在のごみ処理施設。設計は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の新館や葛西臨海水族園、GINZA SIXなどを手掛けてきた世界的建築家・谷口吉生によるもの。広島市内から伸びる吉島通りの終点で、瀬戸内海に面した場所にある。建物の中央には「エコリアム」と呼ばれる貫通通路があり、通りの起点である広島平和記念公園から瀬戸内海までを遮ることなく繋いでいる

広島市 環境局中工場

呉市 御手洗

家福が広島滞在中に宿泊する場所として登場する、瀬戸内海に浮かぶ大崎下島の港町。江戸時代から天然の良港として栄え、明治・大正・昭和初期には多くの建造物が建てられた。当時の面影が色濃く残る街並みは、1994年に重要伝統的建造物群保存地区として選定。1937年に映画館として開設された昭和モダン建築の乙女座や船宿、お茶屋などが並ぶレトロな街並みと瀬戸内海の美しい景観を見に、観光地として訪れる人も多い。

呉市 御手洗


当初、韓国・釜山で大部分の撮影を行う予定が、新型コロナの影響で舞台を変えねばならず、広島に白羽の矢が立った。濱口監督は広島での撮影やロケ地選びのポイントについて「映画のテーマとしては、車が走れる場所ということですかね。もちろん、車が走れるだけではだめで、走っている車を一体どう撮るか。それは良いカメラポジションを見つけられるか、用意できるかというのが一番大きいです。原作は東京の話ですが、昨今は東京だと車の走行シーンはまったく自由に撮れません。最初にロケ地として釜山を想像したのも映画制作の都合上、そこであれば自由に車の撮影が出来るんじゃないかと思っていたからです。でも、それがダメになって広島になりましたが、広島市のフィルム・コミッションの力もすごく大きくて、都市部での撮影も十分出来たし瀬戸内の島々でも撮れた。制作部の努力のおかげでとても素晴らしいカメラポジションがたくさん見つかりました。」と広島フィルム・コミッションへ感謝を述べた。

映画『ドライブ・マイ・カー』は2021年8月20日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督・脚本:濱口竜介
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか/岡田将生
配給:ビターズ・エンド
©2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会