“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に、最新作『子供はわかってあげない』が公開中の沖田修一監督が登場、作品の成り立ちをはじめ、本作にまつわる秘密に迫った。

『子供はわかってあげない』は、長編デビュー作ながら「マンガ大賞2015」の2位にランクインもした、軽やかで味わい深い田島列島による同名マンガを映画化したもの。とっておきのひと夏を経験する一人の少女の、ささやかな成長物語がユーモラスに綴られる。主人公を演じるのは、細田守監督によるアニメーション映画『未来のミライ』や、実姉の上白石萌音との共演も果たした『羊と鋼の森』など、話題作への出演が続く上白石萌歌。相手役には、『町田くんの世界』への出演以降、躍進劇が止まらない細田佳央太が起用されている。そんな若い二人を囲むのは、豊川悦司、千葉雄大、斉藤由貴、古舘寛治ら名優陣。彼らが爽やかな青春物語に彩りを与えている。

本作は当初、2020年6月の公開を予定していたものの、新型コロナウイルスの感染拡大によって延期。満を持してこの8月に公開された。延期が決まった当時の心境について沖田監督は「世の中全体が大変なことになったので、延期が妥当だとは思っていました。でも、公開がいつになるのか先が見えない状態で不安でした」と語っている。こうして無事に公開を迎えることができた『子供はわかってあげない』。

普段はそこまでマンガを読む方ではないという沖田監督だが、今回の監督オファーが来るより前に、偶然にも原作を読んでいたのだといい、「『最近のマンガってどんなのがあるんだろう?』と思って手にしました。とても良かったんです」と明かし、その後に監督依頼が来たという。

本作には“魔法少女”が主人公のアニメーションが登場するが「かなり前の段階から、これ(アニメパート)はちゃんと作ろうという話がされていました。実際に製作に関わってみて、カルチャーショックを受けましたね。『アニメってこうやって作ってるんだ……!』っていう」と語り、自身のアニメとの関係については「もともとマニアというわけではないので、これを機に、“魔法少女系”の作品を観たんです。……すっごい面白かったです。『こんなに面白かったのか!』って。びっくりしてしまいましたね。『キツツキと雨』を監督した際に“ゾンビ映画”を観たときもそうでしたが、これまであまり触れてこなかったジャンルにこうして触れてみることで、その面白さに気づかされますね」と沖田監督。ちなみに特に感銘を受けたのは、『魔法少女まどか☆マギカ』なのだという。

そのほか今回のトークでは、脚本を執筆するにあたって原作者の田島列島へインタビューをしたことや、作品に投影された沖田監督自身のこと、本作と過去の沖田作品に共通するものなどが語られている。

活弁シネマ倶楽部『子供はわかってあげない』沖田修一監督

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映画『子供はわかってあげない』は全国で公開中!
監督:沖田修一
出演:上白石萌歌、細田佳央太、千葉雄大、古舘寛治/斉藤由貴/豊川悦司
配給:日活
©2020「子供はわかってあげない」製作委員会 ©田島列島/講談社