第34回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが10月30日(土)に東京国際フォーラムで行われた。

和奏女子楽団ウーマンオーケストラによる演奏から始まり、ラ・ラ・ランド、ボヘミアン・ラプソディーなどの大ヒットミュージカル映画の楽曲を披露しセレモニー開幕を盛り上げた。本イベントの前にレッドカーペットを歩き終えたアンバサダーの橋本愛は映画祭への想いを聞かれると「(レッドカーペットは)年に一度の皆様と交流できる楽しいイベントという感じだったので、今年は熱気を感じる空気ではないですが、今年こういう状況で映画祭がたくさんの人が力を注いでやっと開催できたと思うので、ありがたみを感じる時間でした」と感謝を伝えた。

また、日本の映画館の魅力を聞かれると、東京の名画座やミニシアターによく足を運ぶという橋本は「(劇場ごとに)カラーも違うし、空気感や席の質感も違ったり、どんな映画を上映するのかのセレクトなどそこの映画館でしか味わえないものが建物の中にあるのが映画館の大好きなところなので、どこに行っても日本の映画館ではなくその場所のそこにしかない映画館という特別感が好きです」と映画館への想いを語った。

そして、コンペティション国際審査委員長を務めるイザベル・ユペールは日本語で「こんばんは」と挨拶をし、「ここにほかの審査員とともに立っているということをとても光栄に思います」と喜びを伝え、「私たちは一緒に映画を観るべきだと思います。それが私が一番コロナ禍においてやりたかったことだと思います」と映画祭開催への喜びをみせた。また、今回の審査員長を務めるコンペティション作品については「今回セレクションを観ますとコンペティションの作品は非常に素晴らしい作品だと思います。私どもは映画が必要です。そして、映画は私たちを必要としています。皆様ありがとうございます」と自らの想いを語った。

また、本映画祭にてオープニング作品『クライ・マッチョ』の上映と自身は50周年を迎えるクリント・イーストウッド監督より「日本の皆さんへ。最新作クライ・マッチョが第34回東京国際映画祭オープニング作品に選ばれたこととても光栄に思います。本当にオープニング・セレモニーに参加したかったです。この映画を通して私が信じる本当の強さを感じてもらえると嬉しいです。クライ・マッチョはコロナ禍に撮影されたものです。私は本作が映画協会に勇気と強さをもたらす作品のひとつになればと思っています。どうぞ楽しんでご覧ください」と手紙が到着した。

【写真・文/片岡由布子】

第34回東京国際映画祭は2021年10月30日(土)~11月8日(月)に日比谷・有楽町・銀座地区で開催!
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