『もうひとりのトム』
©Buenaventura Producciones S.A. de C.V


第34回東京国際映画祭コンペティション部門『もうひとりのトム』。

「コンペティション」部門は、2021年1月以降に完成した長編映画を対象に、113の国と地域から応募された1,533作品の中から、厳正な審査を経た15本の作品が期間中に上映される。

ADHD(注意欠如・多動症)の症状を持つ息子を育てるシングルマザーのエレナは、副作用の危険を感じて息子への投薬治療を拒否する。だがこの出来事で息子のトムと離ればなれになってしまう危機が訪れる。

タイトルの意味がわかったとき、とても切なく悲しい気持ちになるが、真っ直ぐと愛を伝える母エレナの姿がとても印象的な作品。完璧ではないかもしれないが、一生懸命に息子の病気と向き合いながらも自身の人生も歩んでいく姿が飾らずに描かれている。ADHDの理解など考え深い題材だが、いたずらっ子のトムや正直に生きるエレナの様子には思わず笑みが溢れる場面も多々ある。

【文/片岡由布子】

第34回東京国際映画祭は2021年10月30日(土)~11月8日(月)に日比谷・有楽町・銀座地区で開催!
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