『カリフォルニエ』
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第34回東京国際映画祭コンペティション部門『カリフォルニエ』は、モロッコからイタリアに移ってきた主人公が、自分自身と葛藤しながら成長していく5年間の物語。

「コンペティション」部門は、2021年1月以降に完成した長編映画を対象に、113の国と地域から応募された1,533作品の中から、厳正な審査を経た15本の作品が期間中に上映される。

モロッコからイタリアに移ってきた主人公が、自分自身と葛藤しながら成長していく5年間の物語。クラスに馴染めない主人公の様子や就職の問題を通して、リアルな現代の移民問題が描かれている。また、家庭内で母国語とイタリア語を織り交ぜながら話す様子などから、移民家族の日常を覗いたような気持ちになる。普段なかなかしない体験を味わうことができるのは映画の醍醐味でもあるが、その点で大変興味深い作品である。

また、家族との関係や自分の将来、恋愛について悩みを抱える主人公に共感できる部分も多く、このような悩みを抱えるというのは人種や国など関係なく、全世界の少女の共通点であると感じた。どこかドキュメンタリー映画を思わせるような、目や表情から葛藤している様子が滲み出てくる主人公のあまりにも自然な演技が非常に素晴らしかった。

【文/編集部】

第34回東京国際映画祭は2021年10月30日(土)~11月8日(月)に日比谷・有楽町・銀座地区で開催!
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