圧倒的な映像美、世界観で現代日本の縮図ともいえる<ムラ>に生きる若者のリアルを描く『ヴィレッジ』が、6月9日から開催される第25回上海国際映画祭「NIPPON EXPRESS」にてインターナショナル・プレミア上映されることが決定した。

本作は、「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を、圧倒的な映像美と世界観で描き、同調圧力、格差社会、貧困、そして道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった現代日本が抱える闇をあぶり出す異色のサスペンス・エンタテインメント。監督を務めるのは話題作を手掛ける藤井道人監督。主人公の優を演じるのは横浜流星。どこにも居場所を見つけられずに生きてきた青年が、自分とこの世界をつなぐ唯一の希望を守るためダークサイドに転じる姿をリアルに体現し、黒木華、古田新太、中村獅童をはじめとした豪華出演陣との共演で、“今までに観たことない横浜流星”として新境地を魅せる。

今回、本作が中国・上海で6月9日~18日[現地時間]に開催される第25回上海国際映画祭において、映選りすぐりの最新の日本映画を上映する「NIPPON EXPRESS」部門への出品が決定し、インターナショナル・プレミア上映が行われることが決定した。上海国際映画祭は、中国国内唯一の国際映画製作者連盟(FIAPF)公認長編映画祭で、中国最大の国際映画祭とされている。

昨年、新型コロナウイルス感染症の影響から延期され満を持しての開催となる本映画祭は、客層が若く、特に日本の新作映画は毎年チケットが完売になるほど話題を呼ぶアジア最大規模の映画祭。過去に日本からは、岩井俊二監督『リリイ・シュシュのすべて』、山田洋次監督『武士の一分』、阪本順治監督『団地』などの作品が上映され、中でも三原光尋監督作品『村の写真集』(05)はコンペティション部門にて最優秀作品賞(金爵賞)を受賞している。

また、近年の「NIPPON EXPRESS」部門出品作品には、樋口尚文監督『葬式の名人』、三島有紀子監督『ビブリア古書堂の事件手帖』、兼重淳監督『泣くな赤鬼』、福澤克雄監督『七つの会議』、清水崇監督『樹海村』、堤幸彦監督『ファーストラヴ』、吉田恵輔監督『BLUE/ブルー』、田中光敏監督『天外者』、佐藤祐市監督『名も無き世界のエンドロール』、中野量太監督『浅田家!』などの作品が上映されている。

本映画祭は横浜自身にも縁が深く、出演作の『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』、『愛唄 -約束のナクヒト-』(19)、『いなくなれ、群青』(20)が上映されており、横浜自身が「渾身の一作」と語る『ヴィレッジ』は4度目の出品となる。

横浜流星 コメント

第25回上海国際映画祭『NIPPON EXPRESS』部門に、キャストスタッフ一丸となり創り上げた、渾身の作品である映画『ヴィレッジ』が出品され、海外の方々に届けられることを嬉しく思います。日本の伝統芸能である能を、扱っている作品ですので、能の魅力が少しでも伝わればと思いますし、海外の方にこの作品がどう届くのか楽しみです。

藤井道人(監督)コメント

上海国際映画祭で『ヴィレッジ』を上映できること、本当に光栄に思っています。
今の日本人にはびこる事なかれ主義、同調圧力に一石を投じたいという故・河村プロデューサーの想いを、次世代のチームで映像化した本作は、埋もれることのない無二の作品になったと思っています。横浜流星という同士の俳優としての進化と、素晴らしいキャスト、スタッフの技が詰まった本作が上海の皆さまの心に、どう映るのか今からとても楽しみです。

『ヴィレッジ』は公開中
監督・脚本:藤井道人
出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、淵上泰史、戸田昌宏、矢島健一/杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太
配給:KADOKAWA/スターサンズ
©2023「ヴィレッジ」製作委員会