市原隼人主演の笑って泣ける学園食育エンターテインメント『おいしい給食 season3』の函館撮影レポートが到着し、併せてメイキング写真が解禁された。

『おいしい給食』は、1980年代の中学校を舞台とした笑って泣ける学園食育エンターテインメント。給食マニアの教師・甘利田幸男と、給食マニアの生徒・神野ゴウによる、どちらが給食を“おいしく食べるか”という闘いを描き、若者からお年寄りまで幅広い層に絶大な支持を得た。昨年公開された『劇場版 おいしい給食 卒業』のラストでは、甘利田の函館への転勤が決まり、給食のライバルだったゴウとの別れで幕を閉じた。今回連続ドラマの舞台は函館。北の地オリジナルの献立や食材に囲まれて、新たなる給食道が幕を開ける。

函館の空気を収めるべく、市原や教師陣、新たなライバルの粒來ケン(田澤泰粋)をはじめ、生徒たちもみな、実際に函館へと渡った。2023年4月14日。この日の午前の撮影は漁港での撮影だが、とにかく海風がすごい、そして寒い。「新幹線で函館に降りた瞬間、空気がまったく違いました。本当に気持ちいい。空が広い!」と語る市原も「予想の200倍も300倍もすごいです」と海風の洗礼に苦笑い。これまで「おいしい給食」シリーズといえば“夏”が定番だったが、舞台を函館に移し、物語も1988年の“秋から冬”へと変わった。漁港近くの道を、甘利田や生徒たちが歩くシーンが撮影されていく。カメラの外でも「車に気をつけて」「往来の邪魔をしない」と、“先生”としての顔を見せる市原。生徒たちも「はーい!」と市原の言葉を素直に聞いていた。

甘利田がひとり歩くシーンを撮り終えると、生徒たちが並んで歩いたり、おしゃべりしたり走ったりと、登下校していく様子を撮影。それを市原はモニターでチェックしたかと思うと、自前の一眼レフカメラを取り出した。趣味を超えた写真の腕前の市原は、前作でも撮影期間中、生徒たちが成長する様子を撮り続けた。本作でも、真剣なまなざしで、生徒たちひとりひとりの姿をレンズで追う。漁港での撮影が無事終了し、撮影隊が移動の準備を始める。そんななか、地元の漁師さんたちにきっちり頭を下げて挨拶をしている市原の姿があった。

season3を迎える本作の制作決定に「今の自分にseason3を成し遂げることができるのか不安だったんです。尋常じゃない精神面と体力面を削られる作品なので。そうじゃなければおもしろい作品にならないと思っています」と口にする市原。同時に「腹をくくって入ってみると、変わらないスタッフのみなさんが待っていてくださっていて、それが何よりも力強い支えになりました」と笑顔を見せる。

スタッフは同じだが、キャストも生徒もガラリと変わった。そんな生徒たちとはこんなエピソードを明かす。「昨日、東京から子どもたちが函館に着いたんです。まず楽しんでもらいたい。現場を好きになってもらいたい。やっぱり愛がないとダメなので。それで、スタッフさん発案で、昨日の夜は生徒たちとみんなで函館山に登ってきました。クラス一同、すごいテンションでしたね」と、ここでも市原の先生らしい顔を覗かせた。

また新たなケン役の田澤についても「すっごくよく食べるんです。実際に。撮影が終わっても、『おかわりさせてください』と言ってひとりで食べてるんです」と優しい笑顔を見せ、「北海道の食の力ってこんなにすごいんだなと」と続けた。北海道ならではの給食メニューにも注目だ。

午後の撮影は、今春まで地元の中学生が通っていた廃校で行われた。ここが“忍川中学校”となる。中学といえばグラウンド。グラウンドといえば鉄棒。ドラマ本編にも、この鉄棒がアイテムとして登場してくるのかどうかは、見てのお楽しみだが、かつて体操をやっていた市原である。鉄棒にも自然に手が。懸垂も逆上がりもお手の物の、素晴らしい身体能力を見せつけ、「おお~」とスタッフから感嘆の声が漏れた。しばらくすると、今度は率先してセッティングの準備を進める(!?)市原の姿が飛び込んできた。レールを使っての移動撮影を前に、共にレールを運んで連結し、動線を作っている。season3ともなり、スタッフ作業にまで自然に溶け込む市原。

ここで、season3の新ヒロインである比留川愛を演じる大原優乃が合流。一気に現場が華やかに。帰国子女設定の愛先生は、引っ込み思案の新人教師だが、大原本人の明るい魅力が生きた、表情豊かなキャラクターでもある。クランクインからしばらくの間、大原は、自身の撮影シーンが終わってからも、市原の撮影をできる限りモニター横で見学し、「おいしい給食」の世界観を吸収していたのだとか。熱心さと、ケラケラとよく笑い、誰に対しても垣根を作らない天真爛漫な性格を併せ持つ大原は、みなから愛されているのが伝わってくる。甘利田と愛先生が真剣に言葉を交わすシーンの撮影中、大原の愛くるしい大きな瞳に、つい市原が噴き出してしまうという珍しいNGもあった。

翌日は、函館らしい白樺の樹が立ち並ぶ校門前でのシーンなどが撮影された。こちらも、「おいしい給食」シリーズにはなくてはならないキャラクターのひとりと言っていい、“体育教師”を演じる木戸四郎役の栄信が参加。第1話に登場する、愛先生に、生徒とのハイタッチを指導するシーンが撮影される。「ここ(肘)90度で!」とキレッキレ(?)の動きを見せる栄信に、綾部真弥監督とともにモニター越しに見ていた市原も大笑いだ。

この日は、地元の中学生たちもエキストラで参加した。登校してくる生徒たちひとりひとりをチェックしながら、「早くしろ!」と声を出す甘利田。本編ではほんの数秒のシーンだが、登校してくる生徒たちのグループ分けや歩いてくるスピード・間隔を調整し、テストが繰り返される。市原は、待機する生徒たちひとりひとりに声をかけ、自ら道路脇を歩いていく。次第に、エキストラの子どもたちの緊張も解れていくのが分かる。

第1話の冒頭、「何の教科の先生だろう?」と首を傾げたくなるベテラン風情の先生が、生徒たちと同じ時間に登校してきている。実はこちら、廃校になったこの学校で春まで勤務されていた、本物の元校長先生なのだ。ドラマでは音声はほぼ聞こえないが、「何時だと思ってる! 重役出勤のつもりか!」と市原のセリフに、頭を下げながら門をくぐる名演技を披露。さらにこの日は、校内の道路で、甘利田がケンから「僕と、友達になってくれませんか?」と頼まれるシーンも撮影。もはや名物ともなった“距離が近すぎる”甘利田の圧を受けた田澤だったが、一歩も引かない堂々とした演技を見せた。

「王道ど真ん中でありながら、骨太で唯一無二の世界観をしっかりと維持できている作品」と胸を張る市原を中心に、「おいしい給食」らしさを継承しつつ、函館でのロケ撮影も敢行し、新しい地で新たなメンバーと、さらに楽しい時間を生み出している「おいしい給食 season3」。放送は10月よりテレビ神奈川、TOKYO MX、BS12 トゥエルビ、TVerほかにて順次開始される。

新映像「函館編」
新映像「肉じゃが」編

『おいしい給食 season3』は2023年10月よりテレビ神奈川、TOKYO MX、BS12トゥエルビ他にて順次放送
監督:綾部真弥、田口桂
出演:市原隼人、大原優乃、田澤泰粋、栄信、六平直政、いとうまい子、高畑淳子、小堺一機
©2023「おいしい給食」製作委員会