東野圭吾原作のサスペンス・エンターテイメント『ある閉ざされた雪の山荘で』の本編映像が解禁された。

東野圭吾が1992年に発表した『ある閉ざされた雪の山荘で』を実写映画化した本作。登場人物が全員役者であり、彼らが挑む新作舞台の主役の座をかけたオーディションの最終選考が、“大雪で外部との接触が断たれた山荘”という架空の密室空間で行われる設定が大きな話題となった。トリックや人物描写の複雑さから映像化不可能と長年思われていたが、原作者も「見事」と唸るサスペンス・エンターテインメントが誕生した。主人公・久我和幸を演じるのは重岡大毅。映画単独初主演となる本作では、オーディションに参加する俳優の7人の中で唯一、異なる劇団から参加した“部外者”である久我を熱演。さらに、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗らが共演する。

今回解禁された本編映像では、主演をかけた最終オーディションで演じているシナリオでの“記録的な大雪で閉ざされた山荘”という設定を忘れ、ラジオ体操をする主人公・久我(重岡大毅)と雨宮(戸塚純貴)、それにツッコミを入れる本多(間宮祥太朗)らのコミカルなやり取りが映されている。本作では、ある宿泊所に招待された俳優7人が、新作舞台の主役の座をかけた最終選考に挑む。彼らが演じる芝居のシナリオは、“記録的大雪で外部との接触が断たれた山荘”で起こる連続殺人事件。密室空間の中で起きる事件という架空の設定の元、仕掛けられた監視カメラの中4日間“演技”を競い合う。

解禁されたのは、緊迫感が漂っていた初日を終えた翌朝のワンシーン。宿泊所の窓の外は大雪。かと思いきや、ラジオ体操の音楽と共に朝日に照らされた庭が映され、前夜に意気投合を果たした久我と、雨宮が並んでラジオ体操をしている様子が映される。二人は“閉ざされた大雪の山荘”というシチュエーションをすっかり忘れ、「気持ち良い朝ですね」、「最高だな」と晴れやかな表情で声を掛け合っている。しかし、劇団のトップ俳優・本多が現れ「お前ら、記録的大雪はどうした?」とツッコミを入れると大慌て。「あぁ、急に寒い!久我―!寝るなー!」と、一変して大雪設定で芝居を始める雨宮。

久我は「急に眠い、あぁペス、ペス」と、あまりの寒さに意識が朦朧としペットの名前を呼んでしまうという芝居を披露。「起きろ、久我―!寝たら死ぬぞー!」「寒いよー」と唐突に始まった小芝居を微笑みながら眺める本多だったが、「本多さん、助けてー!」と渾身の力で叫ぶ久我に応じ、「待ってろよー、今助けに行くからな。久我、寝るな!」とノリノリで乗っかってしまう。そんな3人の様子をあきれた表情で部屋から見る貴子(中条あやみ)と田所(岡山天音)。「朝からつまんねぇコント見せやがって、パトラッシュをパクってんじゃねぇよ」と、名作「フランダースの犬」の名シーンにオマージュをささげた3人の芝居は田所に一蹴されてしまうのだった。

“閉ざされた大雪の山荘”で起こる連続殺人事件という舞台設定からかけ離れたコミカルなシーンだが、直後に事件が発生。架空の設定のはずが、一人また一人参加者が消えていく。果たしてこれは、演技なのか、事件なのか。スクリーンに映る全てが伏線。二重三重に張り巡らされたトリック。驚きの仕掛けが明かされる怒涛の展開は、観たら思わず人と考察を語りたくなること必至だ。

本編映像

『ある閉ざされた雪の山荘で』は全国で公開中
監督:飯塚健
出演:重岡大毅
中条あやみ、岡山天音、西野七瀬
堀田真由、戸塚純貴、森川葵
間宮祥太朗
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024映画『ある閉ざされた雪の山荘で』製作委員会 ©東野圭吾/講談社