『トラペジウム』の“東西南北”集合舞台挨拶が6月2日(日)に新宿バルト9で行われ、結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花が登壇した。

原作「トラペジウム」は、自分の力で仲間を集め、アイドルを目指す高校生・東ゆうの物語。2016年から雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載を開始し、2018年には単行本化された高山一実による青春小説。現役トップアイドルが描くリアルな描写、そして共感度の高い内容で累計30万部を売り上げている。原作者である高山一実がシナリオ制作など映画制作に深く関わり、彼女でなければ描けないテーマ「アイドルが放つ輝き」とは何なのか?「アイドル」とは何なのか?という“想い”をさらに追い求め、CloverWorksのスタッフとともにアニメーション映画化。全国の映画館でアイドルを目指す少女の10年間を描いた青春物語が幕を開ける。

公開から間もなく1か月となるこの日に行われた舞台挨拶には、結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花が登壇。“東西南北”揃っての舞台挨拶は2度目となる今回は、事前にキャストが選んだ“自身の印象的なシーン”のセリフを生披露しながら振り返りトークが展開された。

主人公・東ゆうを演じた結川あさきが選んだシーンは、ボランティア活動中に知り合った少女・サチに「もし、私が本物のアイドルになったら、嬉しい?」と問いかけ、「なるよ。約束ね」と答えるシーン。掛け合いのあるこのシーン。サチ役は結川本人の希望で上田が務めるサプライズも。ゆうの「絶対にアイドルになる」という決意が強く表れているセリフが披露されると、会場からは割れんばかりの拍手が。結川は「ゆうは色々と目立つセリフが多いのですが、ゆうが“アイドルになりたい”と真司以外に初めて告白するシーンです。周りにいたくるみや蘭子、美嘉にも聞こえていたのかな?とか…ゆうはどんな気持ちでこの言葉を言ったんだろうと、自分の中でも気になっていたシーンでした」と話すと、羊宮が「この2人のやりとりは、2人だけで世界が完結しているような感じで、すごく『ぐっ』とくるものがありますよね。ゆうももちろんですが、サチにもドラマがあるし、改めてゆうの熱い気持ちと覚悟が見える!」と答えた。

続けて羊宮がセレクトしたのは「アイドルはデバッグできないからね」と笑いかけるシーン。「“デバッグ”という単語は、ロボットや機械の欠陥を取り除いて、正常化することを指すようですが(ロボットが好きな)くるみだからこその単語で、アイドルとして活動する中で生まれる、自分がどうしても交わることが出来なかったものとか、頑張ってもなお心に抱えるもやもやが取り除けなかったという気持ちがこもった、彼女らしいワードだなと思って」と話すと、上田は「くるみちゃんが(アイドルの生活に対応しきれず)衝撃的な状態になってしまった後のシーン。ちゃんとみんな仲直りできるのか?とか、不安になったところもありますが、これまで4人の仲が良かったのは嘘じゃなかったと分かり合うシーン」と話し、さらに、このシーンの続きでくるみがゆうに「(ゆうの夢に)気づいてたよ」と告げるシーンがあることから、相川は「くるみはいつから気が付いていたんだろう…と思って!彼女なりにゆうの夢のために頑張ってきたんだろうなと思いました」と話すと、結川からも「そうなんです、くるみもゆうの力になれるように頑張ってくれていたんでしょうね…そこはちょっと申し訳ないなと感じたりもしました」とそれぞれのシーンへの思いを交わした。

上田が選んだのは、蘭子が微笑みながら「ボランティアやアイドルをやってみて気づいたの。わたくしでも人に歓びを与えられるんだって事に」と話すシーン。「やっぱりこの3人と出会っていなかったら(蘭子は)ボランティアもアイドルもやれなかったでしょうし、人生が全然違っていたんだろうなって、彼女自身も言っているんですよね。蘭子はずっと東西南北のおひさまみたいな存在でしたが、心配したり、気苦労みたいなものは彼女なりにあったと思うんです。それでも、ポジティブに全部を解釈できて、ゆうに感謝しているのが蘭子らしいなと思いました。やっぱりゆうってかっこいいですよね、陰な部分も陽な部分も、あわせてかっこいい。そんなことが感じられるセリフだと思います」と話すと、結川も「蘭子は、今まであったこと全部踏まえていいことだった、と振り返れているんですよね。4人が過ごした日々が間違いじゃなかったって、最後に4人とも蘭子のポジティブマインドになれているシーンですよね!」と嬉しそうに応えた。

そして相川が選んだシーンは、美嘉がゆうに「これからもずっと応援してる。まだ、諦めてないんでしょ?」と話すシーン。「やっぱり美嘉にとって、ゆうはずっとヒーローだったんですよね。幼い頃からゆうとも付き合いが長い。そんな美嘉からこのセリフを言われて、ゆうがまだあきらめてないって再確認する。2人の関係性が分かるようなシーンですよね」と話すと、結川も「ハッとする感じありますよね。“そうだ、私まだあきらめていない”って思うというか…」と納得。全員が発表し終えたところで、なんと羊宮・上田・相川が選んだのは偶然にも物語終盤で、一度仲違いしかけた4人が再びゆうの元に集まる重要なシーン。それぞれがゆうを想い、言葉をかけるシーンを選んでいたことに会場も大興奮。本編で語られる10年後のそれぞれの姿にも触れ、ゆうの夢が無ければ4人が出会うこともなく、10年後もああなっていなかったと振り返り、映画を観終わった後の客席は爽やかな感動に包まれた。

最後に相川は「こうやって“東西南北”4人揃ってお話させていただけていることがとても嬉しいです。“東西南北”も1からアイドル活動をスタートしていましたが、私自身も映画初出演で、舞台挨拶や取材を受けさせていただいたのがキャラクターとも重なって、とっても幸せな気持ちでいっぱいになっています。『トラぺジウム』は私にとっても宝物みたいな作品。皆さんの心の中にも、宝物としておいていただけたら嬉しいです」、上田は「こうやって4人で映画のシーンを振り返りながら話していると、ゆうたちが10年後に集まって話している時のような、同窓会のような気持ちになります。自分にとっても『トラぺジウム』は青春だったのだなとこの場で感じました。アフレコもみんなで一生懸命頑張って、キラキラしていてその時間がとっても楽しかったです。何度でも夢を失いそうになった時に見てほしい作品です。ゆうってやっぱりかっこいいなって感じてくれたら嬉しいです」と挨拶。

羊宮は「裏で様々なことが起こっていても、表からはそうは見えない…日常生活でもそういうことは多々あることで、頑張っていても周りには見えなかったりすることがあります。そんな中でも諦めずに夢を目指している人はかっこいいなと思いました。この映画を観て熱い気持ちを思い出してもらえたら嬉しいです」、結川は「今日こうして“東西南北”揃って舞台挨拶が出来たこと、そしてみんなから“ゆうってかっこいいよね”と言ってもらえたことがすごく嬉しいです。ゆうは間違えたり、行き過ぎることはありますがずっとかっこいいんです。見習うべきだなと思いました。この先、何度もオーディションを受けた時のこと、アフレコのこと、この舞台挨拶の事、何度も思い返すと思います。夢を叶えることの喜びは、かなえた人にしかわからない。本当にそうだなと思います。10年後の自分に誇れる自分でありたいなと思いました」とメッセージを送った。

【提供写真、オフィシャルレポート】

『トラペジウム』は全国で公開中
監督:篠原正寛
声の出演:結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花、木全翔也(JO1)、久保ユリカ、木野日菜、内村光良
配給:アニプレックス
©2024「トラペジウム」製作委員会