「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016」オープニング・セレモニー&『話す犬を、放す』舞台挨拶 (1)

今回が13回目の開催となるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016が7月16日(土)にSKIPシティ(埼玉県川口市)で開幕し、オープニング・セレモニーとオープニング作品『話す犬を、放す』の舞台挨拶が行われた。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、若手映像クリエイターの登竜門として、映像表現の可能性とエンターテインメント性を備えた作品を世界中から厳選して上映する国際映画祭。2004年より埼玉県川口市で開催され、13回目の今回は、国際コンペティションとなる長編部門に対して過去最多となる88の国と地域から715本の応募があった。また、インド、キルギス、バヌアツから初ノミネートされている。

今回行われたオープニング・セレモニーには実行委員長の上田清司埼玉県知事をはじめ、審査員、コンペティション部門にノミネートされた関係者が登壇した。また、セレモニー後には続けてオープニング作品『話す犬を、放す』の舞台挨拶が行われ、熊谷まどか監督、つみきみほ、田島令子、木乃江祐希らキャストが登壇した。

オープニング作品として上映される『話す犬を、放す』は本映画祭にノミネート経験がある熊谷まどか監督の長編監督デビュー作だが「ベースには母がレビー小体型認知症と診断されたことが元になっている」と話す。また、認知症については撮影前に調べたことを明かし「世間一般的に知られている認知症がかなり限られていると思った経験で書いた」ときっかけを語った。また、本作ではつみきと田島が母子を演じるが「つみきさんや田島さんが演じたかわいい親子ではないので、あくまでフィクションです(笑)」と笑いを誘った。

熊谷監督の実体験から思い入れの深い役を演じたつみきは「共感できる部分がある。起用に乗り越えられない部分も共感できるし、たくましい部分も似ている」と明かした。また「監督は基本的に何も言わないのでドキドキするんですけど、聞くとおもしろく答えてくれて安心感があって楽しかった」と撮影時のエピソードを語った。

親子の掛け合いがとても自然だという振りに、熊谷監督は「いい意味でせっかちさんなところが似ていて、自然と母子の雰囲気をつくっていただいた」と明かし、田島は「つみきさんのせっかちと言ったらどうしたんだろうと。座っていることがなくてどっかいっちゃうの」と話し、熊谷監督も「カメラよりも先に現場に入っちゃう」とせっかちなエピソードを披露した。

劇中では映画監督の役を演じた木乃江は「かわいい靴とかわいい服を着て、女子力がたかっくてなんでもやるパワーがある役にしたいと事前に話した」と明かし、熊谷監督は「私が仲良くしている女性が一世代くらい若い方でみなさんパワフルなので、彼女たちの姿を託しました」とキャラクター設定について語った。木乃江は撮影後に劇団を立ち上げたことを明かし、「『劇団コノエノ!』という自分一人の劇団を立ち上げました。私もこんな風に巻き込んでやろうと意識してやりました」と今後の決意を語った。

最後に本作について木乃江は「2人の不器用な女の戦いを見せられたよう。この作品を母に見せたい」、田島は「チロという素敵な雌犬が出てきますが、監督を困らせることはなかった。ぜひそこを見てほしい」、熊谷監督は「作ったというよりは、すごいものができたという思い。見ていただくのはドキドキしますが、おもしろいところは笑っていただければ嬉しいです」とメッセージを贈った。

『話す犬を、放す』は7月17日(日)に彩の国さいたま芸術劇場にて、18日(月・祝)にこうのすシネマにて上映されるほか、一般公開も予定されている。

熊谷まどか監督、つみきみほ、田島令子、木乃江祐希

熊谷まどか監督、つみきみほ、田島令子、木乃江祐希

熊谷まどか監督

熊谷まどか監督

つみきみほ

つみきみほ

田島令子

田島令子

木乃江祐希

木乃江祐希

【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016】ポスタービジュアル

「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016」は2016年7月16日(土)~24日(日)にSKIPシティ映像ホール(埼玉県川口市)ほかで開催!