安藤紘平、河瀨直美監督、久松猛朗

10月25日より開催される第30回東京国際映画祭のJapan Now部門記者会見が10月3日(火)に都内で行われ、映画監督の河瀨直美、久松猛朗、安藤紘平が登壇した。

今の日本を代表する映画を上映するJapan Now部門。今回は、7作品がラインナップされているほか、「銀幕のミューズたち」として安藤サクラ、蒼井優、満島ひかり、宮崎あおいにスポットを当てて、それぞれが出演する作品が上映される。今回の会見には、同部門にて上映される『光』の河瀨直美監督と、東京国際映画祭フェスティバル・ディレクターの久松猛朗、Japan Now部門のプログラミング・アドバイザーの安藤紘平が登壇した。

安藤から「失うことの美しさや、消えていくものの美学をどう表現すべきかを語ってくれる日本が誇るべき監督」と絶賛のコメントとともに紹介された河瀨監督は、照れ笑いを浮かべながら「様々な国の人が自分たちの映画をもって集まって、出会うことができる。映画を作るモチベーションにもなっていて、文化を超えてコミュニケーションしていける場」と映画祭の存在意義を語り、自身がエグゼクティブディレクターを務める「なら国際映画祭」について「来年で5回目の開催ですが、とても混乱することもある」と語った。

また、今回30回目を迎える東京国際映画祭だが、河瀨監督は「手の届かない存在」であったと表現。「(自身が)奈良に暮らしているので、東京自体が光がありすぎて、届くようで届きづらいイメージ」と語り「今回自身の作品が出品されることで「その距離感が少し縮まった感じもあります」と明かした。さらに、山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加した際に「映画祭ってこんなにすごいんだと思った。映画館を出たところでも映画談義をしていた。立ち話でも、飲み屋でも、その話ができる。生きることと映画を見ることがつながっている」と驚きとともに喜びを感じていた様子を窺わせた。

そんな河瀨監督に安藤は「東京国際映画祭も、世界の河瀨監督には手が届かなかったんです。『Japan Now』部門ができてきてから、川瀬監督、是枝監督の映画を上映しようとなった。やっと川瀬監督との距離が近くなった」と語り、会場は笑いに包まれ、河瀨監督は笑みを浮かべた。

なお、映画祭期間中は、Japan Now部門の各上映作品の上映後に監督らによるQ&Aが行われる。さらに『花筐/HANAGATAMI』では、大林宣彦監督のほか出演する常盤貴子が登壇することも発表された。「銀幕のミューズたち」では、女優4人がそれぞれ出演する作品のQ&Aに登壇する。

河瀨直美監督

河瀨直美監督

久松猛朗

安藤紘平

安藤紘平、河瀨直美監督、久松猛朗


「第30回東京国際映画祭」は2017年10月25日(水)~11月3日(金・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!