今回解禁された場面写真

全世界を揺るがした衝撃の実話『デトロイト』に出演するウィル・ポールターからコメントが到着し、併せて新場面写真が解禁された。

アメリカの近現代史を語る上で忘れることができない凄惨な暴動事件が起きたデトロイトを舞台に、連日暴動が続く中で起きた恐怖に満ちた“ある一夜”の事件を描く、衝撃の実話を映画化した本作。主演は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ザ・サークル』の公開が控えるジョン・ボイエガ、『なんちゃって家族』『メイズ・ランナー』『レヴェナント: 蘇えりし者』などジャンルを問わない演技が魅力的なウィル・ポールター、ジャック・レイナー、アンソニー・マッキーらが共演する。監督は、『ハート・ロッカー』で女性初のアカデミー賞監督賞に輝いたキャスリン・ビグロー。

次のトム・ハーディとして注目され、早くもアカデミー賞助演男優賞ノミネートが有力視される注目の個性派俳優ウィル・ポールターが本作で演じるのは凶悪な警官。英国出身のキレ者俳優と言えば、クリストファー・ノーラン監督作『ダンケルク』や『ダークナイト』シリーズ、『マッドマックス:怒りのデス・ロード』などで快演を続けるトム・ハーディが筆頭だろう。次のトム・ハーディの大本命として注目され、作家性の強い監督からのオファーが続いている俳優が、ウィル・ポールターだ。

キャスリン・ビグローの大ファンだというウィル・ポールターは、『リトル・ランボーズ』でデビュー以来、『なんちゃって家族』(13)でMTVムービーアワードのキスシーン賞、ブレイクスルー演技賞を受賞、同年の英国アカデミー賞のライジングスター賞を手にした。その後、世界的に大ヒットした『メイズ・ランナー』(14)で、主人公の宿敵を演じ圧巻の存在感を披露。アカデミー賞3部門を制したアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督『レヴェナント:蘇えりし者』(15)ではレオナルド・ディカプリオと共演している。

『デトロイト』は、キャスリン・ビグロー監督がデトロイト暴動渦中で起こったアルジェ・モーテル事件を描く衝撃作。ウィル・ポールターは、凶悪な差別主義者であるデトロイト市警の警官クラウスを演じている。暴動発生から3日目の夜、安宿のアルジェ・モーテルで発砲があったとの報を受けたデトロイト市警やミシガン州兵が現場に急行した。やがて、クラウスと2人の警官たちは、モーテルに居合わせた若者たちの誰かが銃を所持していると断定し、暴力的な強制尋問を開始する。ビグロー監督は、密室と化したアルジェ・モーテルでの“戦慄の一夜”を徹底してリアルに再現、映画史に残る40分間の衝撃的な映像を完成させた。

ポールターが役作りに当たって大切にしたのは役柄に対して「無知」になることだった。「とても難しい役だ。間違った事実を信じ込んでいる男の心理、間違った意見を信じている男、人種差別主義者を演じるためには、その役に無知になりきる心構えが必要だった。有色人種は白人種への脅威であるという考え方に事実や論理があると考える人がいたら、間違っていると思う。そういった事実は一切ないから。事実はその逆なんだ。そんな人間の心の中に入り込むのは怖かった。人間として、とても乏しい生き方だと思う」と語る。そして、クラウスという人物像について、「彼は、当時の警察が利用していた方法、すなわちアフリカ系アメリカ人を刺激して、攻撃的・暴力的な反発を促し、黒人たちを正当に逮捕できるとした敵対的戦法を統括した人物だった」と分析し現場に臨んだ。

暴動発生から3日目の夜に起きた「アルジェ・モーテル事件」は、50年間封印された衝撃の事件だ。その当事者になりきることは大きなプレッシャーだった。「真実を語らなければならない、という責任を感じた。真実を語ることで、こういったことが二度と起こるのを阻止できればという気持ちから。歴史は繰り返されている、という気持ちも心のどこかにある」からと、作品が観客に与えるインパクトの大きさを感じながらの演技だった。

凶悪な警官、言葉にすると簡単だが、残忍で、暴力的で、有色人種に対する排他的な行動をするクラウスという役柄を演じ続けることは、大きなジレンマと苦痛を伴った。ポールターがその重荷に耐えられなくなったことがあると明かすのは、先に発表されたNAACP(全米有色人種地位向上協会)賞で、実在の人物ラリー・リード(デトロイト出身の音楽グルーブ:ザ・ドラマティックスの創設メンバーの1人)を演じて主演男優賞にノミネートされたアルジー・スミスだ。「ウィルがセットの中で、突然泣き崩れてしまったことがあった。彼は、ビグロー監督を見上げてこう尋ねた。『あと何回このシーンを撮り続けなければならないのですか? もう耐えきれません』と。聞いていた僕たちも、押さえていた思いが一気にこみ上げてきた。彼を抱きかかえようとしたけれど、自分も一緒に泣き崩れてしまった。その時、演技をするだけでもこれほどまでに苦しみや痛みを感じるのに、これが現実のものだったとしたら、これ以上に痛ましいものだったに違いない」と痛感したという。

徹底してリアルなシーンを再現するために、容赦なく俳優たちを追い込んだキャスリン・ビグロー監督は、「キャストたちが、演じる時に抱く感情には気に掛けていた。特にウィルにとっては、役柄としても精神的につらいものだったはずです」と語り、俳優たちへの敬意を忘れることはなかった。ウィル・ポールターが体現する凶悪な警官クラウス。何をしでかすかわからない童顔の白人警官を圧巻の存在感で演じたポールターの限界突破の演技はまさにオスカー級だ。

メイキング写真

映画『デトロイト』は2018年1月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ジャック・レイナー、アンソニー・マッキー
配給:ロングライド
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