全世界を揺るがした衝撃の実話『デトロイト』のラリー・リードにフォーカスした特別映像が解禁された。

アメリカの近現代史を語る上で忘れることができない凄惨な暴動事件が起きたデトロイトを舞台に、連日暴動が続く中で起きた恐怖に満ちた“ある一夜”の事件を描く、衝撃の実話を映画化した本作。主演は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ザ・サークル』の公開が控えるジョン・ボイエガ、『なんちゃって家族』『メイズ・ランナー』『レヴェナント: 蘇えりし者』などジャンルを問わない演技が魅力的なウィル・ポールター、ジャック・レイナー、アンソニー・マッキーらが共演する。監督は、『ハート・ロッカー』で女性初のアカデミー賞監督賞に輝いたキャスリン・ビグロー。

今回、劇中に登場するザ・ドラマティックスのラリー・リードにフォーカスした特別映像が解禁された。夢に溢れた音楽の聖地フォックス・シアターから一転、人生を変えた悪夢の一夜に一体何が起こったのか―。ラリー本人と演じたアルジー・スミスが語る“戦慄の一夜”に迫る特別映像だ。

1967年当時、自動車産業で繁栄したデトロイトはアメリカで5番目の都市で、才能があれば夢が叶う希望に満ちた場所だった。アフロ・アメリカンによって生まれたソウル・ミュージックは、デトロイト発祥のモータウン・レコードを生んだことで知られており、数多くの才能を輩出した。だが、8マイルロードで分断された白人と黒人の格差や差別が蔓延し、市民の緊張は高まり爆発寸前、ついに米史上最大級の<デトロイト暴動>が起こった。

暴動発生から3日目の夜、夢と希望に燃える地元出身の若きボーカルグループ「ザ・ドラマティックス」のリード・シンガー、ラリー・リードと仲間たちは、ついにたどり着いた音楽の殿堂にして聖地“フォックス・シアター”のステージでスポットライトを浴びる瞬間を待ちわびていた。いよいよ夢が叶う―。しかし、女性コーラスグループ「マーサ&ザ・ヴァンデラス」に続き、彼らがステージへと踏み出す間際、司会者から突如「今夜は中止だ」と告げられる。暴動によって戦場と化したデトロイトの街は混乱し、フォックス・シアターにもその余波が及んだ。夢の舞台を目の前にした突然の中止にメンバーたちは大きく落胆する。

今回の特別映像は、誰もいないステージでラリーがマイクを取るところから始まる。「ラリーはフォックス・シアターを夢見ていた。だが、夢が実現する直前で、デトロイト暴動が起きた」と解説するのはアルジー・スミス。今最も注目され、“ポスト・ウィル・スミス”と呼ばれる俳優で、実在の人物であるラリーを演じ見事な歌声も披露している。

公演が中止となりバスに乗ったメンバー。ラリーは暴動の混乱を避けるため「アルジェ・モーテルで静まるのを待とう」と友人のフレッド(ジェイコブ・ラティモア)を誘う。アルジー・スミスが「これが悪夢の始まりだった」と説明する通り、アルジェ・モーテルで発砲騒ぎがあり、デトロイト市警とミシガン州兵が現場に急行し、窓に浮かんだ人影に向かって一斉射撃を行った。恋人と電話中だったラリーは突然の銃声に驚くが、それは彼の人生を変える悪夢の始まりに過ぎなかった。やがて、現場を密室化した白人警官たちは、アルジェ・モーテルに居合わせたラリーとフレッド、モーテルで知り合った白人女性2名を含む8人の若者たちを容疑者と断定し、暴力的な強制尋問を始める。

「あの出来事を語り継ぐのは、非常に意味深い」ことだと語るのは、アルジェ・モーテル事件に遭遇したラリー・リード本人だ。モーテルに居合わせた容疑者の一人として、白人警官たちの情け容赦ない暴力的な尋問に晒された。白人警官がライフルで容疑者の1人を殴りつけるシーンに重なって「我々が見た事実を忘れて欲しくない」と話すラリー。ラストの映像では、公演が中止され観客が避難した後で、ラリーは一人ステージへと向かう。誰もいない夢のステージ、フォックス・シアターで歌うその声が、哀しくも切なく響き渡る。

「50年の時を経て、ラリーの体験が語られる」とアルジー・スミスが語る通り、デトロイト暴動の渦中に起こった「アルジェ・モーテル事件」が、半世紀を経てついに映画化された本作。密室と化した室内で一体何が行われていたのか、そして被害者たちはどんな運命をたどることになるのか。キャスリン・ビグロー監督が、これまで歴史の闇に封印されていた“戦慄の一夜”を徹底してリアルに再現し、完成させた映画史に残る40分間の衝撃的な映像を劇場で確かめよう。

映画『デトロイト』は2018年1月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ジャック・レイナー、アンソニー・マッキー
配給:ロングライド
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