12人の映画監督による12の物語―『DIVOC-12』

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優が継続的に創作活動に取り組めるように、12人の映画監督による12本の短編映画製作プロジェクト『DIVOC-12』。中核となって牽引するのは藤井道人監督、上田慎一郎監督、三島有紀子監督。3人の日本映画界を代表する監督たちの元に集い共に映画制作を行うのは、“成長への気づき”というテーマを掲げる藤井道人監督チームの志自岐希生監督、林田浩川監督、廣賢一郎監督、“感触”というテーマでメガホンを取る上田慎一郎監督チームのふくだみゆき監督、中元雄監督、エバンズ未夜子監督、そして“共有”というテーマで制作する三島有紀子監督は山嵜晋平監督、齋藤栄美監督、加藤拓監督。

今回、“共有”というテーマを掲げる三島有紀子監督チームに集うキャスト陣と各作品のタイトルが解禁された。チームを導く三島有紀子監督作品のタイトルは『よろこびのうた Ode to Joy』。主演は、代表作に高倉健主演の映画『あ・うん』(89)があり、『フラガール』(06)、『舞妓はレディ』(14)に出演、『椿の庭』(21)で14年ぶりに主演を務めた女優・富司純子。そして『his』(20)、『佐々木、イン、マイマイン』(20)にて第42回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞、『くれなずめ』(21)、『明日の食卓』『のさりの島』(主演・21)等多数の待機作を控える、今最も勢いのある若手俳優の一人・藤原季節の二人が務める。

山嵜晋平監督作品のタイトルは『YEN』。主演は、『朝が来る』(21)で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ数々の映画賞を受賞、2021年度前期放送予定のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」にも出演する蒔田彩珠。共演には、舞台「アルプススタンドのはしの方」、同タイトルの映画にも出演、今回オーディションで出演の座を勝ち取った中村守里が抜擢。

そして、齋藤栄美監督作品のタイトルは『海にそらごと』。主演は、映画『パッチギ!LOVE&PEACE』(07)でヒロインを演じ注目を浴び、近年では映画『Fukushima50』(20)やドラマ『天国と地獄 サイコな2人』(21)など話題作に出演、『愛のまなざしを』(21)などの公開もひかえる中村ゆり。そして、オーディションにて主演の座を見事掴み取り、本作で銀幕デビューを果たす髙田万作の二人に決定した。

最後に、一般公募から選ばれた加藤拓人監督作品のタイトルは『睡眠倶楽部のすすめ』。主演を務めるのは、映画『旅のおわり世界のはじまり』(19)で、日本史上初となる「第72回ロカルノ国際映画祭」のクロージング作品として上映され、第11回TAMA映画賞最優秀女優賞、第43回山路ふみ子女優賞を受賞した前田敦子。

三島有紀子監督『よろこびのうた Ode to Joy』キャスト

富司純子 コメント

新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、数々の映画製作が延期や中止になり、携わるスタッフ、俳優、関係者の仕事が無くなり生活に困窮しているのが現状です。そんな中、有志が映画製作に取り組むお話を頂き、喜んで参加させて頂きました。
三島監督はじめ、スタッフがコロナ感染に神経を使い無事に撮り上がりました作品です。皆、映画が好きな人々が集まりました。皆の映画への情熱を感じて下さればこの上ない喜びです。

藤原季節 コメント

この作品のことを思い出そうとすると頭が真っ白になります。夢中でした。このコロナ禍において僕たち俳優もまた、とてつもない緊張感に晒されて生きています。いつ仕事がなくなるかわからない。新人が作品にチャレンジ出来る機会も減ってきたように思います。このプロジェクトで三島組に出逢い、頭が真っ白になるような喜びを味わいました。この映画は出逢いの映画でもあります。まさに僕にとっても出逢いとなった、この映画を届けたいです。

山嵜晋平監督『YEN』キャスト

蒔田彩珠 コメント

脚本を読んだ時、短い物語の中にも、沢山の意味が込められていると思いました。
どんなに親しい仲でも、共有できない想いがあったり、自分にしか分からない気持ちの整理の仕方があったり。
この作品を観てくださった方に、作品を通して伝えたいこと、が少しでも多く伝わったらいいなと思います。

中村守里 コメント

コロナ禍で世界中が戦っている今ですが、作品作りを通して発信し続けることは大事なことだと、エンターテイメント界の一端にいる私も感じています。このプロジェクトに参加出来ること、感謝いたします。今回起用して下さった関係者の皆様、改めてありがとうございます。
山嵜監督の『YEN』は短編映画ならではの洗練された脚本です。そこに自分がどんな風にはまっていけるのか、監督の期待に応えられるのか、楽しみながら試行錯誤して撮影に挑みたいと思っています。楽しみにしていてください!

齋藤栄美監督『海にそらごと』キャスト

中村ゆり コメント

以前の生活とは変化した昨今、沢山の過去の価値観の見直しを世界中がしている中で、孤独を感じる時も、新たな気付きがあったりする時もあります。
こんな今だからこそ、人間のふとした優しさや温もりを感じれるような作品にしたい想いで、監督と沢山のお話をしながら作品に向き合っています。

髙田万作 コメント

初めて映画制作に参加させていただきます。今回の作品は、とても自分らしさを求められる作品だと思っています。立ち居振る舞いや後ろ姿だけで役の生い立ちまでを伝えられるような演技が出来るように、映画の世界の中に入り込みたいと思います。
初めての経験ばかりで不安もありますが、とても楽しみです。自分の素を信じて、勝負したいと思います!!!!よろしくお願いします。

加藤拓人監督『睡眠倶楽部のすすめ』キャスト

前田敦子 コメント

皆で力を合わせて、一つになって大きな作品を作るということが今、必要なことだと感じているので、
このプロジェクトで監督3人がそれぞれチームを作って、新しい世界に導いてくださるのはすごく素敵なことだと思いました。
加藤監督の作品に携わらせていただいてとても嬉しいです。

映画『DIVOC-12』は2021年に全国で公開!
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント